

「たかしま流」L字式千鳥X型魚道とは
この「L字式千鳥X型魚道」の原型は宇都宮大学の水谷正一教授が考案されたものです。
ただ、高島では完全無農薬での栽培に適応させるため、新たなひと工夫を加えてあります。
「たかしま生きもの田んぼ。」の無農薬栽培米は、当然、除草剤を使いません。
また、いわゆるアイガモ農法も食味と生産コスト面、そして生物多様性の保全面での課題
があるため、取り入れていません。
代わって導入されているのが、「除草」ではなく「抑草(よくそう)」という新しい発想の技術
です。たとえば稲と同じイネ科の雑草(イヌビエなど)の繁茂を抑えるには、田植え後に苗
の生長に合わせて田んぼの水位を徐々に深くしていきます。
水位が深くなるにつれ、イヌビエの根は浮力に耐え切れずに土から抜けてしまうというわけ
です。
一方、魚道は畦に固定されているので、田んぼの水位が高くなるとともに魚道の出口との
落差が大きくなり、小さな魚が上れなくなってしまいます。その課題を克服するために、
畦を横切る水平部分の樋の中に数枚の堰板を入れ、徐々に堰上げをすることで落差を緩和
し、わずかな水量でも小魚が遡れるようにしているのです。
これによって、田んぼの水位の変化にも自在に対応できる魚道が誕生しました。
栃木県で開発された千鳥X型魚道に、滋賀県で展開されている「魚のゆりかご水田」の
排水路堰上げ式魚道の仕組みを組み合わせたもので、いわば東西の水田魚道の「いいとこ取り」
をしたものです。