「除草剤を使わずに稲の大敵・コナギを抑える重要な技術」

イヌビエなどイネ科の雑草は田んぼの水位を深くすることで根ごと浮き上がらせてしまう
ことができますが、そうした環境をむしろ好むのが「稲作農家の宿敵」ともいえるコナギ。
ミズアオイ科のこの植物は繁茂する力が凄まじく、土中の窒素分を大量に吸い上げて
収穫量(=収入額)を半減させてしまうほどの猛威を振るいます。
そのために多くの農家が除草剤を手放せずにいるのです。  
しかし、新しい農法技術の開発により、除草剤を使わずにコナギを抑える技術も確立に
近いレベルにまで高まってきています。その基本的な手法が「二回代掻き」と「米ヌカ
ペレット散布」です。
まず、初夏の田植えの一ヶ月以上前に代掻きをして田んぼに水を十分に張っておきます。
やがて水温の上昇とともにコナギの種子が発芽してきます。そこでもう一度代掻きをする
ことで、コナギの新芽を泥の中に練りこんで退治してしまうのです。その後に田植えをし、
直後にペレット状の米ヌカを散布します。すると米ヌカを養分としてアミミドロなどの藻類や
アオウキクサの浮き草などが田んぼの水面を覆い、水中の日光を遮断して、残っている
コナギの種子も発芽できなくさせてしまう、というわけです。イトミミズが大量繁殖すると
土がクリーム状に軟らかくなり、コナギの種子を埋め込んで発芽できなくしまうという
効果もあります。  
ところが二回目の代掻きまでの間にコナギが十分に発芽していなかったり、アミミドロ
の繁茂やイトミミズの繁殖が少なかったりすると、「悪魔のコナギ」が復活してしまうよう
です。田んぼは土質を含めてそれぞれ環境が異なるため、全国一律の方法が通用
するわけではありません。高島の有志農家の試行錯誤は、もう少しだけ続きそうです。

(参考文献:「無農薬・有機のイネつくり」稲葉光國著 農文協)