| 【説明】 正解は、酒泉満さんという研究者がDNAの違いから調査した、日本産野生メダカの 分布図です。見た目はどれも同じような黒メダカ(野生メダカ)。 分類上もひとつの種として扱われていますが、遺伝子を比べると、地域ごとにさまざまな違いがあるそうです。 大きく分けると北日本集団と南日本集団があります。両者は分布域が明確で、遺伝的特徴も大きく異なります。地殻変動によってかなり古い時代に分かれ「別種に向かってそれぞれ進化を続けている途中」だといえばわかりやすいでしょうか。 東日本の太平洋側から西日本にかけて分布する南日本集団は、多くの遺伝的共通点を持ちつつも、地域によって小さな幅の変異があり、およそ8つの「型」にわけられるそうです。 そうした進化の時計を大きく狂わせるのが、本来の分布域を無視した放流です。 長い間別々に育った遺伝的な違いの明確なメダカが他地域に入れば、人の目には はっきり見えなくても、遺伝子交雑が起こり地域固有の特徴が消えてしまいます。 身近な川にたくさんのメダカが泳ぐ姿を再び見たい、というのは自然を愛する多くの 人たちの願いです。しかし「善意の行為」のつもりで、ペットショップで買ってきた メダカや人から貰って増やしたメダカを放すと、後世に取り返しのつかない「環境破壊」となる危険性があります。 メダカは本来たくましい魚で、条件さえ整えば飼育下でもあっという間に増えます。 獲ってきた川に返してあげようという気持ちはわからなくもないのですが、元のメダカ 自体が、すでにほかの地域から持ち込まれた移入個体や、交雑個体である可能性があります。 なお、日本魚類学会では、魚の放流に関するガイドラインを定めています。 |