| 【説明】 アイザック・ウォルトンの書いた原題は『THE COMPLEAT ANGLER』。これに『釣魚大全』という邦題が付けられたのは大正時代だそうです。1653年の刊行以来、300年以上も世界中で版を重ねていることから“釣りの聖書”とも呼ばれています。後年、ウォルトンに私淑するチャールズ・コットンという人物が書き加えたフライフィッシング編(第二部)から、人気が一気に高まったといわれています。邦題から釣りのハウツー書のように思われがちですが、ウォルトン研究家の杉瀬祐さんによると、ウォルトンが伝えたかったことは釣りを通して感じた自然の不思議や田園風景の賛美であり、THE COMPLEAT ANGLERも、本来は“熟達した釣り師”という意味なのだそうです。 『釣魚大全』は、日本の釣り愛好家にも有名で評価の高い本ですが、じつはきちんと通読した人が極めて少ない本であることも“公然の事実”です。釣りの本読みとして著名なある方(特に名を秘す)でさえ「あんな退屈な釣りの本も珍しい」と、はっきりおっしゃいます。これも杉瀬さんにうかがった話ですが、原書では聖書の内容に基づいた比喩が多く、適切に翻訳しても日本人にはその部分がわかりにくいのだそうです。 ちなみにBの『釣魚大変』という本は実在します。『釣魚大全』のパロディーで、著者の矢張双さんは、以前エアービーパルでも「オババの森」という連載小説を執筆した、作家でミュージシャンの平野肇さんです。 |