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不可能を可能にしてくれる! アウトドアの強い味方
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こんなのがあればいい、というものに出会ってしまった。春に大阪でおこなわれたアウトドアフェスティバル。トークショーをするために出かけたが、空き時間に会場を見回るうちに、すごいものを見つけた。その名も「ウイングキャリー」。電動のルーフキャリアである。
カヌーをして遊んだ後、何が大変と言っても、疲れた体でカヌーを車に積むことではないだろうか。若くて元気、力あり余ってますという人には不要かも知れないが、頻繁にカヌーに行く人、そろそろ腰にきてしまう中高年のカヌーイストにはかなりありがたいものだと思う。まして、私のような車椅子ユーザーにとっては、そもそも自分でカヌーを積むことなんてできなかったのだから、このウイングキャリーは不可能を可能にしてくれるモノなのである。
もともとはハシゴや配管パイプなどを積むことから始まったウイングキャリーだが、開発した社長さん曰く「車高の高い車に乗ってる方や、バス釣りなどでアルミのフィッシングボートを積む方には本当に喜んでもらってます。あれ、重いですから。こんなにもいろいろな用途があるとは思わなかったですね。増して車椅子の人の役に立つとは……」とにこやかに語ってくれた。
車への取り付けは、手でねじをベースキャリアに締め付けるだけなので、特別な工具は必要なし。電源は車のシガーソケットを利用するので、専用のバッテリーや、配線工事も不要。つまりベースキャリアさえあれば、簡単に利用できる優れものなのである。
私はモニターとして使わせていただくことになり、さっそくうちのポリエチレン製カヤックを積んでみた。ひとり乗りのこのカヤックは重さが20kg弱。足を踏ん張れない私には地面から持ち上げるのが少し大変だったが、いったん載せてしまえばあとは簡単。
手元のリモコンスイッチを入れると、くくり付けたカヌーがすーっと上がっていく。この間30秒弱。力があってせっかちな人にとっては「自分で持ち上げたほうが早い」と思ってしまうかもしれないが、実際やってみると「はーっ、楽だー」という感動のほうが大きい。
準備しておくものは荷物をくくるための紐やベルト、積載物に応じた各種アタッチメントぐらいである。自転車も、カヌーも、釣り船も、サーフボードもスノーボードもOK。
ただし、私が使うときにはひとつだけ困ったことがあった。車椅子だと、肝心のコネクターに手が届かないのである。そこで、子どもに手伝ってもらうことにした。でも、やっぱりひとりでできたほうがいいよなー、そんなことを社長さんにお話すると、さっそく改良にとりかかり、試行錯誤の末、コネクターを手が届く位置にくるよう工夫してくれた。
車椅子ユーザーでアウトドアを楽しむ人には朗報だし、もちろんそれ以外の人たちにとっても。あらゆる人に使いやすいという点で、ユニバーサルデザインの商品と言える。
最大引き上げ能力が30kgのもので147,000円。60kgのもので189,000円。安くはないかも知れない。けれど、毎回、積み下ろしの重労働から解放されることを考えると、この値段、決して高いとも言えないのではないだろうか。あなたはいかが?
(エッセイスト/松上京子)
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