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種まきから始める(?)プラモデル


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 ワラぶきの屋根。前庭で遊ぶニワトリ。跳ね上げ式の井戸。柿の木になった実。そして、家の前に広がるたんぼ。少し前の日本の田舎の原風景である。こんな情景を作ることができるプラモデルがある。それも、田んぼには本物の植物の種をまくというユニークなもの。出しているのは、(株)河合商会という模型メーカー。ちなみに、ベースのサイズは、22cm×16cm。箱庭シリーズとして11種類出ている中の一つである。

 組み立ては、正直言って時間がかかってしまった。最初はこんなもの簡単だと思った(ヒコウキなんかと比べると)のであるが、意外や意外、屋根を葺くのが難しかった。材料として、ヤシの実の繊維が入っていて、これを並べて接着して作るのであるが、これが難しい。なかなかうまく並んでくれない。このあたりが、普通のプラモデルとは違う。キットには、冶具(ヤシの繊維を並べるための専用のプラスティックの板)も入っていて、これに切ったヤシの実の繊維を並べていくようにという説明なのだが、そうはいかず至難の作業であった。
 失敗の原因は、一度にやってしまおうとするから。少量ずつを、少しずつ着けていけばいいだけのことであるのだが(セッカチは、失敗の元である)。同じように、庭には2か所、このヤシの実の繊維を使った垣根がある。これに至っては、繊維を一本ずつ並べていくのが一番の早道と分かった。最良の方法は、正に急がば回れであった。

 20時間ほどで完成。みっちりやって、一日半である。腰は痛いは目は疲れるは、で大変であったが、なんとか完成。大変でもできてみるとうれしいし、やっぱり工作はおもしろい。このヤシの実の繊維を接着するにはもちろん、地面にまく粒子(地面や草をこれで表現)なども着けるから、接着剤は多めに用意しておいた方がよさそうである(キットには含まれていないし)。

 ここで、田んぼになる所にガーゼのような薄い布を敷く。そして、そこに種をまいていく。種は、2種類。大きめの丸いのが、ホワイトクローバー。小さく細長いのがチモシーという植物らしい。チモシーというのは、ウサギのエサとなる牧草ということである。7月1日にまいて、4日にヒゲのような芽が出た。双子葉植物(ホワイトクローバー)、単子葉植物(チモシー)なんてことを思い出した。
 種は、うまく等間隔にまいた方がいいのだが、失敗。等間隔にはまけたのだが、水を入れたら、偏ってしまった。注水は静かにやった方がよさそうである(霧吹きなんかを使うといいかも)。それに、ホワイトクローバーは、かなりの確率で発芽したが、チモシーの方は発芽しない種も多く、多めにまいたほうがよさそうである(キットには、十分な量が入っているから心配ないけど)。

 植物が育つ間に、キットのいろんなもの(屋根や地面など)を少し汚して、リアリティーを増してやる。それに、ツヤが出てしまった部分にはツヤ消しの塗料を塗ってやる。これで、一段とリアリティーが増す。顔を近づけて片目をつむって見てみる。「ウム、確かに日本の農家だ。懐かしい気分がするなあ」。屋内には、囲炉裏やカマドもあるのだが、これらの汚し処理は組み立てる前にやっておかねばならない(残念ながら、今回は忘れてしまいできていない)。

 プラモデルという自然から遠いものを、箱庭という発想で実際の種(自然)を使って共存させる。なかなかおもしろい発想である。しかも、植物の選択が適切で、スケールモデルによく合っている。箱庭や盆栽という伝統がある日本でしか出てこないであろう、農家ジオラマ・プラモデルである。最後に、近くの公園へ持ち出して、撮影。なかなかいいでしょ。

 作ったのは箱庭シリーズの中の「農家」(他に、五重塔、牧場、田舎の駅などがある)

(ライター/守屋 裕司)


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◇◆DATA◇◆
メーカー単価12,00円(カメラ量販店では1,000円ちょっとだった) 
河合商会ホームページ:http://www.kawaihobby.co.jp/
Tel:03-3859-1881
Fax:03-3858-2825
住所:〒121-0064 東京都足立区保木間3-36-7



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