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いい店見つけた! 自然の中の田舎ごはん&カフェ
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教えたいような教えたくないような……。
いいお店を見つけたときはいつも二つの気持ちが入り混じる。結局は、自分だけの秘密にしておきたい思いよりも、誰かにそこで過ごす素敵な時間を味わってもらいたい思いがまさり、「ねえ、いいとこ見つけたよ」と教えてしまうのだが。
『田舎ごはんとカフェ・朴〜bocu〜』も、そんな場所だった。築100年の古民家を改築したこのお店は和歌山県の田辺市中辺路(なかへち)町にある。うーんと田舎だ。古い道具や籠、小物、薪ストーブなどがセンス良く並べられた店内は、一歩入るとホッとくつろげる空気が漂っている。
店長の中峯さんは20代の女性。もともと飲食店で調理のお仕事をされていた彼女が自分のお店を始めたきっかけは「畑がしたかったんです」とのこと。
おいしくて体にいいものを自分で作りたい。季節に合わせ、土や水や日の光の恵みをもらいながら。そのおいしい野菜やお米をみんなに食べてもらいたい。その思いが形になったのが"朴"なのだ。
この日、私がいただいたのは天然酵母パン定食。マクロビオティックを勉強された中峯さんのお料理はお豆腐、野菜、お豆が中心で、あとにデザートとコーヒーがつく。一番人気の玄米定食はパンの代わりに玄米ごはん、スープの代わりにお味噌汁、となる。他に玄米豆カレー定食もある。
さて、いただいてみるとメインの豆乳クリームコロッケがおいしくておいしくて……。お肉がないのにちゃんとボリュームがある。お野菜もごま油や梅酢を上手に使っていて、薄味なのに物足りなさを感じない。それどころか、「ああ、ちゃんとごはんを食べたなあ」という気がする。体が欲しがっているのはこういうものなんだと気づかせられる。
開け放たれた窓からは、風が里野の春の匂いを運んでくる。時間がゆっくり流れていき、心もお腹も大満足。
お店では天然酵母で作ったいろいろなパンも販売していて、これが大変な人気。みんなこんな辺鄙な場所をちゃんと探し当てて買いにやってくる。玄米パン、スコーン、あんドーナツ、よもぎあんパンなど、どれも自然な甘みでしっかりとした味。食事のあいだに売り切れてしまわないよう、私は先に買っておいて持ち帰った。
市街地からは車で1時間ほどかかるが、ここは“わざわざ行く”ところなのだと思う。景色を楽しみながらのんびりドライブして、近くのなかへち美術館に寄ってみるのもいいだろう。それからゆっくりお昼をいただいたり、お茶を飲んだり。忙しい毎日をしばし忘れ、ここでゆるりと時を過ごせば、きっとまた明日からも元気に仕事ができると思う。
(エッセイスト/松上 京子)
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◇◆DATA◇◆
「〜朴〜 田舎ごはんとカフェ」
住所:和歌山県田辺市中辺路町近露203
電話:0739-65-0694
定休日:水・木曜日
営業時間:11時〜18時(夜は要予約)
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