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雪の結晶を撮る!? 冬のミクロの世界は凄かった
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雪の結晶撮影に取り組みはじめて13年ほどになります。撮影地は大雪山系十勝岳山麓、十勝岳温泉「凌雲閣」横の駐車場。車で行ける道内で最も標高の高い場所であり、降雪期間が長いというのがここを選んだ理由です。
まず雪山の斜面にスコップで縦穴を掘り、撮影台や階段を削り出します。深くなるに従い雪は圧縮されて堅くなり、アルミ製では歯が立たず、鉄スコップを使います。次にコンパネとタル木を組んだ三角屋根をかぶせ、ドアを取り付けると、雪洞スタジオのできあがり。この工程にほぼ2日。機材は、メーカーの違うカメラやレンズ・ベローズなどを改造したもので、撮影倍率5倍と10倍の2セットを組みます。
『結晶』が降り出したら撮影開始。いくつもの結晶がからみついたものが“白い雪”。でも結晶が一つずつチラチラと降ってくる、そんなときがあるのです。黒いビロードを貼った板でそれを受け止め、気に入ったものを細筆の先で引っかけてステージガラスに乗せ、シャッターを切ります。難しいのは照明。顕微鏡照明装置を使用し、熱を伝えず、背景に色を着け、結晶は透明に輝かせる林式ライティング。
撮影中はずっと立ちっぱなし。ほとんど運動量がないため寒さ対策に苦労しましたが、今では極地用防寒スーツとブーツで寒さ知らずです。撮影期間は2月から3月にかけての1か月ほど。この間、キャンピングカーに改造した車で自炊生活。お風呂はもちろん、凌雲閣の天然温泉。
雪の結晶に興味を持ったのは、やはりその美しさと不思議さのせいです。同じ形を集合させた場合、最も円に近く、かつ無駄なく接し合うのが六角形。この形には自然の法則 が隠されているのです。“鑑賞に堪えうる科学写真”を目指す私としては、造形的にもこの雪の結晶は最高の被写体。これが撮影する上での魅力その1。結晶の種類・大きさは様々ですが、同じものは二つとありません。 ということは、どんなに撮影を続けても、常に新しい形を記録することができる。これが魅力その2。そして、手作り改造で組み上げた撮影装置で仕事をするというのは、自称機材改造マニアとしてこれに勝る喜びはない。これが魅力その3。
さて、季節は冬真っ盛り。雪が降ってきたら、コートの袖などに落ちた結晶をちょっとだけ注意して見てください。ルーペがあればなお良いですが、肉眼でも十分に観察できますよ。
(カメラマン/林 直光)
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