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世界遺産、スオメンリンナ要塞島の清澄な冬
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観光客のグンと減る冬。北欧の大都会、ヘルシンキの空気も目の覚めるような清らかさです。夏は爽やかで旅装も軽くてよいのですが、北欧の冬には静寂の美に喜びがあったりもします。
1991年に要塞が世界遺産に登録された、スオメンリンナ島へはヘルシンキの港からフェリーに乗り、15分で到着。朝の満員の船の中で、軍の音楽隊と一緒になりました。私を含めた数人は観光客のようですが、その他の人々は働いているか住んでいるかのどちらかなのでしょう。
18世紀のスウェーデン統治下に建造された要塞は、城壁の全長8km。大砲が発達した時代、容易に標的にならないように城塞はそれまでのものと違って低く、地肌を縫うように建設されました。ロシアに吸収されていた110年の間には1万3千人の兵が駐屯したこともあったそうです。1917年のフィンランドの独立後、現在は海軍学校と造船所が現役です。訓練用なのでしょうか、港に軍艦が接岸したところです。
8島からなるスオメンリンナ(Suomenlinna、Suomiとは、フィンランド語でフィンランドを意味します)には、約900人350世帯が住み、その多くは昔の兵舎や城壁を改造して住んでいます。この親子は4世代に渡って島に住んでいるそうです。フィンランドといえば、ムーミン。このコ、ちょっとムーミン似じゃありません?
冬の日の短さと寒さの中では時間勝負の名所巡りですが、建物や雪をじっくり観察しているうちに、とんでもなく時間が過ぎてしまいました。最終的に渡るはずだったメインの島には行けず。それでも、冬の美しさを独り占めした満足感で一杯になりました。午後2時のフェリーで帰途につくべく、まっさらの雪の道を歩いて港に向かいます。対岸にヘルシンキの街が陽光を浴びています。戻ったら、サウナに行ってあったまろうっと。
(ロンドン在住フォトグラファー/山内ミキ)
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