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五穀豊穣、無病息災、リトアニアの春どんと祭り


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 春よ来い、は〜やく来い♪という気持ちはどこでも一緒。冬の長い国、リトアニアでも、冬の神様を天にお送りし、春を迎える準備をする祭りが一番の楽しみ。最も盛大なこの祭りを、存分に楽しむための鉄則がいくつかあります。まずそちらを伝授しましょう。

 鉄則1:ジプシー風だかなんだか、とにかく手当り次第にその辺のものを着重ねしてくる。私ももちろん、友人のお目立ての「タンスの肥やし大作戦」スタイル、おてもやんメイクでフィニッシュ。この滅茶苦茶がよろしい。このオバさま方子供達を参考に、最新ファッションを研究して下さい。

 鉄則2:祭り中、何度も人の輪に引きずり込まれ、目が回るほど踊らされます。ポケットの中身が全部飛び出しますので、落とし物ご注意! もうおばさんは疲れたのでソリに乗せてって欲しいところですが、これは子供専用、残念。

 鉄則3:豊穣のシンボル、ベーグルパンのネックレスを買って首からぶらさげ、踊りすぎてお腹がすいたらおもむろにちぎって食べる。屋台で沢山売っています。携帯食として非常に便利、ベーグルの穴はこのためにあるんだなぁー。私達は他に、前日友人のおばあちゃんに教わりながら焼いたパンケーキを持参。これも祭りの伝統食なのです。

 ひとしきり踊ったり飲んだりした後、そろそろ女神様を燃やすというので、人の流れに従っていくと、丘のふもとにフラダンスしそうな青い眼、ぽってりセクシー唇の女神様が。すでに点火されているらしくちょろりと一筋、頭付近に煙がたなびいたのも束の間、瞬く間に轟音をたてて燃え上がりました。あっという間に顔は炎でなめ尽くされ、黒く巻き上がる煙が迫力たっぷり。

 何か連想するものがあるなぁ……。そうだ! どんと祭りではありませんか。あれも、お正月にいらっしゃった神様をお送りするものですものね。 大人も子供も、炎にやんちゃ気分が刺激され、妙に舞い上がって朗らかなのも世界共通。このハジけ具合が似ています。

 ヨーロッパの中でも昔ながらの自然崇拝が根強いリトアニアでは、自然を司る土着の神様は日常から親しまれています。この冬の女神、「モア」(More)もそう。さよならモア、この冬も無事に過ごせました。ありがとう。このあと春の女神がやってきて、さあ、新しい季節のはじまり、はじまり。

(ロンドン在住フォトグラファー/山内ミキ)



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