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オックスフォードの春祭り、5月1日のメイダンス


●森林の伐採、海洋汚染、オゾン層破壊に伴う温暖化などで絶滅の危機に瀕している野生動物をテーマにした曲『光のこどもたち』の演奏会が、5月14日(土)に東京・トッパンホールで開かれます。生命の尊さ、大切さ、地球の素晴らしさを、音楽と絵(スライド)を通してこどもたちに伝えるというユニークな企画。ピアノとお話は、仲道郁代さんです。
 シャンシャン、タタタ、カンカンカン。石畳に響く音。早朝の霧の中、黒マントの笛吹きがやってくる。ミノムシ男の楽隊も、手風琴の調べを皮切りに拍子をとりだし、髭もじゃの男達がリボンをひらひら、鈴鳴らし、足踏み、飛びあがり、輪になって踊りだす。

 5月1日、朝6時半、いわゆるメイデー。とは言っても、バリケードや機動隊とは無縁の平和な朝。サマータイムを迎えて、時計の針を1時間進め、日の長さを満喫するころ、草木の芽もゆるみ人々の顔もほころびはじめるころの、オックスフォードの春祭りの日。

 何世紀も遡って紀元前238年から祝い続けている、春を讃える伝統の行事は、夜明けを合図に歌いだす、オックスフォード大学のコーラス隊を聴くことから始まります。この合唱を間近で聴こうと、未明から待つ者もいるほどなので、のんびり訪ねた私に見えるものは後頭部ばかり。でも、塔の上から響く歌声は、水面を打つしずくのよう。群衆の上を広がっていくのがわかります。

 摩訶不思議な集団に出くわしたのは、合唱のあと、あくびを咬みかみ、街を歩いていたときでした。ジャック・イン・ザ・グリーンとは「緑男」とでも訳しましょうか、ちょっと綱を付けられているのが可哀想な感じだけど、前が見えないので仕方ないかな。

 後続は「morris dance 振興会」のおじ樣方。モリスダンスとは、イギリスのフォークダンスの形態で、踊りのスタイルは様々ですが、オックスフォード周辺で見られるものはハンカチダンス戦い棒ダンス(勝手に命名)。背中にはそれぞれグループの紋章をしょっていて、手作りパッチワーク衣装帽子がなかなか可愛い。決め手は、スネにつけた大量の鈴の帯。しゃんしゃんと豪快に響き渡ります。

 あっという間に群衆に囲まれ、激しい踊りを繰り広げると、ダンサーの顔はみるみる真っ赤っか。ミノムシスカートをはいた女性チームや、中世風のチームもいましたが、やはりおじ樣方の熱演にはかなわない。ビールをなみなみ注いだジョッキを片手に応援待機してあげたい感じです。

 この日は午前中いっぱい、古い街並にいくつもの踊りの輪が広がり、オックスフォードはちょっと特別な一日です。ここは日本の皆さんにも人気の土地。是非、来年は5月1日に旅程をあわせて、春を祝いにいらして下さい。

(ロンドン在住フォトグラファー/山内ミキ)



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