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ジャイアント! ガリバーが残した最後の……


●今日の執筆者、山内ミキさんのウェブサイト「MIKIY PHOTOGRAPHY」。スタイリッシュな写真がたくさん見られます。
 椅子と机。高さ約9M、日本ならばこの敷地に、ワンルームがすっぽり入ってしまう広さかな。実はこれ、イタリア人アーティストの作品「The Writer」です。今年の6月末に北ロンドンの公園、ハムステッドヒースに巡回展覧として引っ越してきました。
 ここには、以前にご紹介した白鳥と一緒に泳げる池があり、冬は雪滑り、秋はキノコ狩りと四季を通じてアトラクションてんこ盛りの、自然派にはたまらないスポットです。スポットというのも気が引けるほど、でかいこの公園を一気に小さくしてしまったこの物体、ホ・ン・トにでっかい

 作家のGiancarlo Neriさんによると、「アートでもなんでもないよ、これはただの椅子と机。」との嬉しいお言葉。なんとなく近付き難い現代アートをぐんと親しみやすくしてくれます。 って、言われなくても親しんでいる人がいっぱい。こんこん叩いて中身を確かめる人や、子供の逆上がりの練習に使う親。よじ上るのは幾ら何でもムリだろーなーと思いながら無駄に努力する人たちを眺めることしばらく。ついに出ました成功者が!

 ペタペタっと椅子の足を一気に駆け上り、台座にたどり着き、ひと呼吸置いてえいやっとテーブルの天板に。その瞬間周囲から感嘆の拍手が湧き起こり、山頂制覇です! 登頂成功の旗でも置いてきて欲しかったです、ハイ。

 ロンドンを一望できる丘のふもとにあるので、自分が大きくなったり小さくなったり、大忙し。これがその丘から作品を見たところ。ええ、なんじゃありゃ? と眺望をそっちのけに目を奪われるまま、虫のように引き寄せられていく人、多数…… そして小人国から、巨人国の訪問とあいなります。これはもう、自分自身がガリバー気分!

 ハムステッドヒースはキーツ、フロイドなど多数の文筆家、学者が住んだ芸術にゆかりの街。その脈は累々と続き、今でも芸術家が好んで住む場所として知られています。それにご縁を結びつけてやってきたこのアート、登るのもよし、机の下で文筆業にいそしむのもよし、ピクニックの待ち合わせに使ってもよし、と、色々使える、今夏の人気者であります。

(ロンドン在住フォトグラファー/山内ミキ)



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