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甲斐のお山の山賊湯、ほったらかし温泉


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 その温泉の噂を聞いて細い林道のような山道をクルマで登った。ホントにこの先にあるのかなと不安になるが、ときおり手書きの看板が現れる。やがて山の頂上に出ると工事現場のような広場にクルマがたくさん停まっていた。ここが山梨県でいまいちばん元気な日帰り温泉『ほったらかし温泉』だ。

 「オヤジがこの山を買ってね、どうしようかと思っていたら金融機関が“温泉でも出るなら融資する”っていうから掘ったらホントに出た」と社長の常岡通さん。しかしいざとなると「どこも融資してくれなかった」。
 こうなったら自分で作るしかないと建設業の友人に頼んで湯船を「ツケで」作ってもらい、「カネがかかるから屋根のない露天にした」と常岡さん。いっさい宣伝せずに平成11年に温泉をオープンしたらその日の客は「2人だった」とか。

 この日からアイデア勝負の日々が続く。
 スタッフに重機の免許をとらせて脱衣所や休憩所を自分たちで建てて、やがて二つ目の大露天風呂もオープン。夜明け前に開店して、湯船から朝焼けの富士山をみる朝湯も企画。二つのお湯は成分も異なっていて、「名前をつけるのも面倒なので最初のが“こっちの湯”二つ目が“あっちの湯”にした」とか。

 いつしか“山のてっぺんに山賊砦のような温泉がある”という噂が温泉好きの間でひろまって、ついに年間40万人を超す温泉ファンが『ほったらかし温泉』に訪れるようになった。とくに元旦の夜明け前は入場制限が行われるほどとか。

 いま、26万坪ある敷地に三つ目の露天風呂も計画中とか、でも「お客さんに『立派なのを作っちゃ駄目だよ』って言われる」と常岡さんは笑う。
 標高700m、甲府盆地を望む絶景が自慢。バラック作りが楽しい『ほったらかし温泉』の快進撃は続く。

(ライター/杉崎 行恭)


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◇◆ほったらかし温泉◇◆
住所:山梨県山梨市矢坪1669-18
TEL:0553-23-1526
アクセス:JR山梨市駅から車で10分、中央自動車道勝沼ICから車で25分
料金:大人600円
営業時間:日の出1時間前〜22時・日の出時刻にあわせて開湯時刻変動
休日:無
駐車場:280台



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