 |
 |
ヘソが動く(?)EUど真ん中の自然保護区に起こった騒ぎ
|
北緯50°10′21″
東経9°9′0″
これが現在のヨーロッパのへそ、つまり、欧州連合EUのど真ん中にあたります。
実は、ここ、ドイツはフランクフルトから34kmほど東にいったMeerholz(メアホルツ)という小さな町のはずれになるんです。このMeerholzがEUの地理的中心地になったのは、今年になって、新たにブルガリアとルーマニアの2国が加盟してからのこと。
以前はコブレンツの北18kmほどのところ、丘陵が連なる地域にあるこれまた小さな町、Kleinnmaischeid(クラインマイシャイト)でした。こちらは、2004年から2007年までの間、中心地として存在し、町の真ん中に立派な記念碑が建ち、中心地ではなくなった今でも、EUの青い旗、ドイツの旗、ラインランドプァルツ州の旗、この町の旗の4種類がはためいています。
新しい中心地であるMeerholzの町としても、記念碑を建てたいという希望があるようですが、ちょっと困ったことに、こちらの新しい中心地は、舗装もされていない道を進んで森の中へと入っていこうとする場所にあり、大昔はテラコッタ土の採掘場でもあったという考古学的にも興味深い土地で、自然保護地域でもあります。そうなると、簡単に町の自治体が記念碑を建てるわけにはいかないようで、この中心部とその周りだけを例外的に町が買い取り、記念碑を建てる話が進んでいるようです。現在のところ、EUを象徴した青い色に塗られた簡単なベンチと旗を掲げる4本のポールがあるだけです。
地理的な中心地というだけの話ですが、すでに、イギリスのテレビカメラチームや中国からの観光バスがやってきたこともあるそうです。さらに、掲げられた旗、こちらもEU、ドイツ、ヘッセン州、町の旗とあったそうですが、掲げられた3日後には盗難にあうという騒ぎまで起こっており、こののどかなこの町にも事件が起こっている様子。
そんな話を、たまたま出会った考古学者のおじさんが話してくれました。彼は、GPSを手にし、この辺りの散歩道を整備しようと調査中とのこと。ヨーロッパの中心と言っても、数年後には、さらに加盟国が増え東に移動する可能性は大いにあります。今のままの自然を残したうえで、ヨーロッパの中心地としての役目を果たしてほしいものです。
(ドイツ在住ライター/和田 かおる)
|
|