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京の「始末」文化。お茶を最後まで味わいつくす―煎茶編―


●夏の京都といえば、もうすぐ八坂神社の祇園祭ですね。ひと月に渡るこの一大イベントを見に、京都へ出かけてみませんか。
 「茶は養生の仙薬なり。延齢(えんめい)の妙術なり」(栄西:喫茶養生記1211年)。鎌倉時代、臨済宗の開祖・禅僧栄西が宋から持ち帰り、高山寺の明恵上人によって栽培が始まったといわれる宇治茶。江戸時代には、茶葉を蒸し手で揉む製法(宇治製法)が発案され、宇治田原は日本緑茶発祥の地となりました。

 そのお茶所宇治田原町の「21お茶のふるさと塾」では、茶摘み体験や「茶歌舞伎(茶香服とも書く)」などを通して、おいしいお茶の飲み方やお茶の時間を楽しむ文化を広めています。
 茶歌舞伎は、「闘茶」とも呼ばれ、室町時代の京都を中心に、貴族や武士、富裕な商人の間で娯楽遊戯として流行した遊びで、賭け事としての要素もありましたが、お茶の産地宇治田原では、むしろ、庶民の楽しみとして発展してきました。
 「お茶講」または「茶寄り合い」という集まりが地域ごとにあり、若者は青年団や消防団に入ると、茶歌舞伎に参加することができたそうです。そこで競われる熱気あふれる「茶歌舞伎」対抗戦は、地域社会をつなぐ交流の場ともなっていました。

 そんな歴史を持つ茶歌舞伎ですが、「21お茶のふるさと塾」では現代のスタイルで「茶歌舞伎」を広めようとしています。
 私が見学した日は姫路の小学校が体験学習として参加。全部で80人ほどが集まっていました。この日の茶歌舞伎の方法は、塾長の谷口郁男さんから説明がありました。
 「今日は若葉の季節なので、まず『若葉』という名前のお茶を試飲して、香りや味を覚えます。それから、本講で5煎のお茶を飲んでいただき、その中に、最初に試飲した『若葉』が2煎出てきますので、何番目に出たものかを当ててください」
 私たちは日常、「一生懸命にお茶を飲む」などということは滅多にありません。谷口さんは、茶歌舞伎を通して、"お茶を真剣に飲む"体験をしていただくのもおもしろいのでは? と言います。

 さて、茶歌舞伎で熱くなった後は、さっぱりとした料理で楽しみましょう。京都人のケチな性分なのか、始末の文化なのか、出した茶がらは捨てません。鰹節をのせ、ポン酢をかけるだけで、りっぱな逸品となるのです。油揚げやチーズを一緒にあえてもなおよろし。これには理由があります。
 お茶の成分に入っているビタミンEやビタミンAは脂溶性なので、水に溶けにくく茶葉の中にまだ残っています。これを摂取するのは、食べるのが一番。油分を一緒に採ることで、身体によりよく吸収し蓄えられると、谷口塾長に教えていただきました。

 他にも、お茶を使った料理は、長芋の抹茶田楽から、かき揚げの天ぷらやポタージュスープ等々。また最近では、高級料理食材としても需要があり、松茸のように季節限定モノとした野菜感覚で、摘みたての新芽が築地で売られているそうです。
 
 その昔、高価でお薬と同じように考えられていたお茶。そして現代、お茶を淹(い)れ、一生懸命飲んで、茶がらも出さずに食べてしまう「お茶の時間」、皆様もお一ついかがですか?

(京都在住/横田 美行)


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◇◆DATA◇◆
『21お茶のふるさと塾』
※「茶香服」出張講座もあります。詳しくは下記へ問い合わせください。
住所:〒610-0253 京都府綴喜郡宇治田原町贄田船戸72-1(有)木創内
TEL:0774(88)4246 
FAX:0774(88)2189
HP:http://ujitawar.hp.infoseek.co.jp



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