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捕鯨基地のある町でクジラの解体を見て
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胸いっぱいに息を吸い込みたくなるような、青く広がる海、鮮やかな緑の山。
ここは千葉県南房総市和田町。日本で捕鯨をしている5ヶ所(和歌山県太地町、千葉県南房総市、宮城県石巻市(鮎川)、北海道網走市、函館市)の1つである、花とみどりと海、そしてくじらの町です。昨年、この港で見たクジラの解体は、1年たった今も鮮明に脳裏にやきついています。それは、伝統的な“人の営み”の光景でした。
房総半島の捕鯨の歴史は、17世紀(江戸時代)に勝山で始まりました。ツチクジラを対象とした小型沿岸捕鯨が中心で、拠点は旧白浜町、旧千倉町と転々とし、1948年に捕鯨会社の合併等で和田町に移転しました。その後、クジラは地域の生活に密着してきました。「クジラは捨てるところなし」といわれ、肉は貴重なタンパク源として食文化に根付き、昔は内臓や骨粉は房総名産のビワや花の肥料に使い、鯨油も活用されたそうです。
マッコウクジラやミンククジラなどの大型クジラを捕鯨した時期もありましたが、現在、和田町では国際捕鯨委員会(IWC)の規制対象外である歯鯨類のツチクジラ(26頭)のみが日本政府の自主的な鯨類資源管理のもと捕獲されています。
クジラの捕獲は昔から夏の風物詩とされ、現在は6月20日からはじまり、26頭獲り終わるのが、例年お盆前後だそうです。この期間、運がよければ誰でもクジラを見学することができます。
和田町で解体が見学できるようになったのは、10年前からで、「公開するようになってからは、不思議なことに"反捕鯨"のバッシングなどは無くなった。」と、南房総市 和田支所 地域事業課の小原さん、込山さんは話して下さいました。今は、解体が見られるのはここだけとあって、地元の人だけではなく、外国からの見学者もいるそうです。
クジラは沖合いで捕獲されてから、16〜17時間置いた後、水産庁の担当職員が計測などを終えた後に、「解剖屋さん」と呼ばれる20人ほどの職人さん達の手によって解体されていきます。大包丁と呼ばれる、薙刀のような大きな刃物を持って、見たこともない巨体を裁く様子はただただ圧巻です。数回切るごとに、腰元につけた砥ぎ石で包丁を研ぎながら、淡々と解体は進み、約2時間ほどで、各部位に分けられます。
分けられた肉は業者や地元の人たちが決まった時間から、その場に並んで買っていきました。通常、かたまりの肉は1kg/2600円。100グラム当たり、260円と考えると、豚肉や牛肉と比べてそれほど高くありません。ツチクジラの肉は「たれ」と呼ばれる、味付けしてから干した伝統的な保存食品やしぐれ煮、カツなどにして地元のお店や家庭で食されています。また他の地域で、生皮は塩鯨や尾ひれはさらし鯨などに加工されるそうです。
実はこの解体を見て、私はあるショックを受けました。それは、「毎日食べているお肉も同じように生きていたものがあやめられ、解体されたものであること。またそれを職業とする人がいる」という当たり前のことを実感したことでした。そして、本当に感謝して食べ物を、命を頂かなくてはいけないことを身に染みて感じました。
クジラの解体を見た人たちの多くが、「感動した」と言うそうです。クジラ見学が授業の一環になっている地元の小学校5年生はクジラの解体を見た後にも、ほとんどの子どもがクジラカツを食べられるとききました。難しい捕鯨の問題ですが、視覚からそして胃袋で感じてから、考えてみるのも1つの手ではないでしょうか。
(新米母さんライター/半谷美野子、クジラ写真提供/相川好夫)
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◇◆お知らせ◇◆
「勇魚(いさな)朝市」でクジラの肉や地元の農産品が手軽に買えます。
期間:7月8日〜8月26日 毎週日曜日
時間:午前7時〜午前9時
場所:和田漁港
HP
◇◆参考◇◆
<和田町のツチクジラ解体時間情報>
外房捕鯨株式会社
<捕鯨に関する参考HP>
水産庁 捕鯨班
(財)日本鯨類研究所
日本捕鯨協会
国際捕鯨委員会(IWC)
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