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利根川に舞う。ハクレンのダイナミックなジャンプ
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7月16日に利根川の茨城県五霞町、埼玉県栗橋町付近でハクレンの産卵が確認されました。ハクレンは中国原産の大型淡水魚で、成魚は1mに達します。国内には1878年(明治11年)にソウギョの種苗に混入して導入されました。以来各地に移殖放流が行われたようですが、自然繁殖している水域は少なく、毎年ハクレンの産卵が確認されているのは利根川だけです。
ハクレンの産卵期は6〜7月の梅雨の頃です。この時期に大雨が降ると、その増水がきっかけとなり産卵が始まります。ところでこのハクレン、産卵前にある行動を見せてくれます。それは数多くのハクレンが一斉に跳び上がる、ダイナミックなジャンプです。1mもある巨体が、多いときには数十匹でジャンプを繰り返すので、その迫力ある光景には圧倒されます。
ハクレンが何故このような行動をとるのか、詳しくは分かっていません。一説にはハクレンという魚は臆病で、大雨で流されてきた流木やゴミに驚いてジャンプすると言われています。たしかにハクレンは巨体に似合わず音や振動にとても敏感で、産卵場にかかる鉄橋を新幹線が通過すると、その轟音に驚いて跳び上がる姿を見ることもできます。ただし集団でのジャンプは産卵直前に集中することから、私はオスがメスを追尾することで群れを作ることに加え、産卵を目前に控え興奮状態にあることが、ハクレンが連続してジャンプする原因ではないかと考えています。
今年は7月には珍しく台風が関東地方を通過しました。そのため14日から15日にかけて、かなりの雨が降り産卵の準備が整いました。ただジャンプはというと、15日の午後には雨が上がってしまったので、その日の夕方に観察されたようです。16日は午前中に数匹のジャンプが時折見られるものの、午後には産卵が始まり、集団で跳び上がる姿はついに見ることはできませんでした。
ハクレンの産卵は条件が整うと一斉に行われるため、産卵やジャンプを観察するチャンスは、ふつう1年に一度しかありません。今年はすでに16日の産卵でたくさんの流下卵が確認されたので、このあと産卵が行われる可能性は低いでしょう。来年は見てみたいという方は、産卵場となる埼玉県栗橋町のホームページに、利根川の水位やハクレンの様子、観察場所が詳しく出ていますので、参考にしてみてください。
(カメラマン/松沢 陽士)
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