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自然界を創造した神様は偉大なデザイナー?


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 夏休みに入ると、毎年のように「カブトムシの奇形を見つけた」といって持ち込まれる虫がいます。ファーブルの昆虫記で有名なスカラベ、玉押しコガネの仲間のダイコクコガネの雄です。持ち込んで来る人の目には、見事な角がカブトムシに似て? 見えるらしいのですが、体長も23ミリ、カブトムシの3分の1程度で角の形状も全く異なっています。昆虫界ではいくら小さな個体でも正常個体の3分の2以下になることはありません。それ以下の個体は発育途中で死に、成虫になることはないのです。

 今年はもう1種類、体長10ミリのツノコガネを持って来た方がいました。この両種とも動物の糞を食う糞虫の仲間です。糞に集まり、糞の下や近くに坑道を掘って丸めた糞球を転がして穴の中に入れます。糞球には卵が入っていて、孵化した幼虫が糞を食って育つのです。坑道を見つけて掘ってみると雌雄が同じ穴の中で見つかります。

 不思議に思うのは、坑道を掘るのにじゃまになるように大きい角が「何故あるのか?」ということですが、はっきりとした答えはわかりません。カブトムシやクワガタの雄は樹液場を他から守るため、戦いのための武器として持っていることは観察していてわかるのですが、糞虫の数種の雄にある角の利用法は不明です。しかし、カブトムシなどと同様に戦いの道具になっているという説明が正解かも知れません。つまり、坑道は主に角のない雌が掘って、雄は後から開いた坑道に入って外敵から糞球を守る役目しているのかも知れませんから……。

 昆虫の世界では、こういった理解に苦しむ形態を持ったものが多く見られます。中でも竹の葉っぱの中に産卵するタケトゲハムシが秀逸です。あの薄い竹の葉っぱの中を食い進む幼虫が体中にトゲを持った成虫に変身するのです。鳥などの外敵から身を守る手段なのでしょうが、体中のトゲが歩く時にじゃまにならないのかいらぬ心配をしてしまします。又、糞虫の仲間のオオセンチコガネの体色にも驚きです。金赤色に輝く綺麗な体を持つこの虫が汚い糞の中にいるのが理解できないからです。この仲間の体色変異は多く、通常の金赤色から金紫、ルリ色、さらに京都や奈良地方には金緑色に輝く種がいます。この宝石のような虫が汚い糞の中にいる? とは誰も想像もしません。

 自然界を造った神様が本当にいたとするならば、彼はとてつもなく偉大なデザイナーだったに違いありませんね。

(大分県日田市在住・昆虫ライター/佐々木茂美)



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