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やんばるに残る伝統の『竹葺き』屋根


●やんばるの森の様子がわかる「やんばるの森 撮影日記」筆者のブログはこちら。
 やんばるの北の端、国頭村奥(くにがみそん おく)集落で、国頭村に実質一軒だけ残る茅葺き屋根の大規模な葺き替えが行われました。
 その茅葺き屋根は、国道58号線沖縄県の北の起点のすぐ脇にある、民宿「海山木(みやぎ)」の厨房、食堂兼ゆんたく(おしゃべり)場となっている古民家風の建物です。

 沖縄で屋根と言えば、赤瓦を連想される方が多いと思いますが、琉球王朝時代に赤瓦を葺くことが許されたのは、王族、貴族と各地の有力者だけで、屋根の種類によって、租税の額が違っていたそうです。それ以外の人たちの家はと言えば、やんばるでは茅葺き屋根だったのです。戦後、ほとんどの家はコンクリート瓦になり、高度成長期にはブロック作りの平屋根になってしまいました。
 そこで、この民宿のご主人(というよりはオヤジ)の宮城さんが、11年前民宿を始める際に、昔から伝わる茅葺きの技術を、お年寄り(オジー)達が元気なうちに若者に継承しておこうということで、この建物を建てたそうです。

 やんばるの茅葺きは、正確には、茅ではなく竹葺きなのです。森の中のあちこちで群生しているのが見られる「リュウキュウチク(琉球竹)」が用いられています。藁や茅などでは、高温多湿の沖縄の気候では、とても長持ちしません。

 まずは、このリュウキュウチクを切り出します。リュウキュウチクが少なくなった今では、これが一番大変な作業かも知れません。次に、数種類の必要な長さに切りそろえ、直径15cm〜20cmくらいの大きさの束をいくつも作ります。それを長さを考えながら一つ一つ屋根の上に乗せて縛り付けて行きます。最後に、屋根の軒に当たるところを刈りそろえて完成です。建設当初は10人以上で作業したので、4日くらいで終わったそうですが、今回は5人のうえ、オヤジが途中で抜け、さらに大雨の日が続いたりで、3週間ほどで完成。立派なカンプー(チョンマゲのこと)が屋根の上に横たわっています。

 建物の中には、囲炉裏があって、茅葺きの屋根を燻すようになっています。この囲炉裏で燻すことによって、雨漏りを防ぎ、長持ちさせることができるそうです。冬はこの地域は結構寒くなるので、ここで一杯やりながら宿泊者同士ゆんたくしたり、鍋をつついたり、酔っぱらった名物オヤジのギャグを楽しんだりできますし、夏は、暑いですが、豚肉やタコの足をぶら下げて薫製を作ったりもできます。

 やんばるの森の恵みで葺き上げられた古民家風の建物で、夕暮れにヤンバルクイナの鳴き声を聞きながらシマー(泡盛)を一杯やるのもおつなものです。夏休みが終わって、観光客の減った沖縄やんばるへ、のんびり癒されに来られてはいかがでしょうか?

(やんばる在住自然写真家/神田君夫)


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◇◆参考DATA◇◆
あまり宣伝すると、「今でも忙しくなっているのに、これ以上忙しくなったら死ぬ!」と、オヤジに怒られそうですが、民宿「海山木」については、こちらに詳しく掲載されています。
http://www.geocities.jp/guccii365/oku_miyagi01.htm

やんばるでのんびりカヌーで遊ぶならこちら。筆者がガイドをするバードウォッチングツアーもこちらで取り扱っています。
http://www.ikiwaku.com/



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