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この夏、ライフセーバーに惚れました!


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 鍛えられた身体、礼儀正しい態度、爽やかな笑顔。私はこの夏、「ライフセーバー」に惚れました。今まで「ライフセーバー」と聞いて、思いつくのは、人命救助やビーチフラッグぐらい。しかし、実はそれはほんの一部の姿。彼らこそ海水浴場の安全を保つ、縁の下の力持ちだったのです。

 8月14日、ここは和田浦海水浴場(千葉県南房総市和田町)。
 朝7時40分。和田浦ライフセービングクラブのメンバーが次々と来て、9時の海水浴場開きの用意開始。救命道具の準備、緊急用通路の確保など、掛け声をかけながら準備が手際よく進められていきます。なんと駐車場脇の犬の糞拾いまで行っていてびっくり。

 今年のライフセービングのメンバーはライフセーバーの資格を持った15人。町からの要請で、1999年から日本体育大学のライフセーバー部とそのOBOGがライフセーバーを行っているそうです。毎年、毎日6人が和田浦海水浴場、3人が花園海水浴場、1人が和田小学校のプールに派遣されているとのこと。

 8時20分。役所の担当者の方が到着して朝礼。海の状態や、注意事項を確認。凛とした声とピンと張った背筋からライフセーバーの緊張感と責任の重さが、こちらにも伝わってきます。
 8時40分。「五水」と呼ばれる海水チェックは大切な仕事。毎日、3回決まった海の場所で水温、水質、水深、水流、水底を計測して、海の状態を把握し、海水浴客に放送します。

 8時55分。大学生のリーダーで「警備長」と呼ばれるのが、大学4年生の松原正阿(たかお)さん。彼が作ったシフトを元に、各人がレシーバーを持って、自分の配置につきます。配置場所はエリアA、Bのパトロール、本部、待機、休憩の5箇所。そして松原さんは監視塔の上から、「ディレクター」と呼ばれるこの海水浴場全体の責任者である、OBの荒井洋佑さんが、海岸から全体を統括、見守り、指示を出します。

 9時。海水浴場はもう、人がいっぱい。事故を未然に防ぐ為、海水浴客をチェックし、全員が常にトランシーバーで連絡をとりあいます。岩が危ない場所にいるお客には泳いでいって注意。また「浜からつながる事故が多い」ということで、飲酒しているお客にも注意を促すなど、事故が起こらないように細心の注意を払います。松原さん曰く、「事故が起こった時点でライフセーバー失格」だと。

 警備以外も怪我したお客への手当てや、漂流してきたクラゲの捕獲など皆が大忙し。海に潜って海産物をとっている人への注意まで彼らの仕事なのです。この日は、海水浴客もピークは707人と今年一番の人出で、迷子やけが人も出て、猛暑にもかかわらず、彼らがゆっくりとしているところを一度も見かけませんでした。

 16時30分。海水浴場が終了。終礼が行われ、ライフセーバーの任務も終わりと思いきや、片付けをした後も彼らはまだ休みません。民宿で自炊をしているため、料理当番だけ帰り、ほかの人たちは海と海岸で1時間ほど体力トレーニング。実は朝も毎日、5時前に起きて、6時から本番さながらの救命訓練をしているのです。

 1ヶ月間この生活を続ける、健康維持の方法は「よく寝て、よく食べて、よく水分をとること」と皆が口を揃えて言いました。消灯時間は10時45分。夏の間はお酒もほとんど飲まず、普段の生活でもタバコは吸わないそうです。世の中にこのような大学生が存在するのです。荒井さんが、ライフセーバーをはじめたこの6年間、一度も事故が起きていないそうですが、それが彼らのおかげだということを痛感しました。

ライフセーバーに一番大切なことは? という質問に、荒井さんも松原さんも、「謙虚さ」と一言。人に、自然に、そして自分の力に対してだそうです。過信が事故を招くことに気づかされます。そして、この辛いライフセーバーを続けていられるのは、「鍛えた身体を人助けに生かすことができ、人から感謝される嬉しさから」だと荒井さんは話してくれました。
 猛暑の中、身体は疲れましたが、こんなに素晴らしい若者達がいる日本は、まだまだ捨てたもんじゃないなと、清清しい気持ちになった一日でした。また来年、彼らに会うのが楽しみです。

(新米母さんライター/半谷 美野子)


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◇◆ライフセーバー情報◇◆
特定非営利活動法人 日本ライフセービング協会
http://www.jla.gr.jp



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