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水不足オーストラリアの救世主は砂時計?


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 先日、ホームステイ先の友人宅のポストに面白いものが届きました。単三乾電池くらいの大きさの砂時計なんですが、実はこれ、シャワーの時間を計るために州政府が配布している砂時計なんです。ここ2〜3年、オーストラリアでは深刻な水不足と乾燥化が大きな社会問題となっています。今年3月に開催された世界水泳の会場となったビクトリア州のメルボルン市民からは、なぜ水不足で困っているのにこんな大会をやるのか、という声も上がっていたといいます。

 私が滞在していたクィーンズランド州でも水不足は深刻で、今年の4月には州の水源資源局がブリスベンやゴールドコーストといった都市部の居住者と企業に対し、節水制限「レベル5」の適用を決定しました。「レベル5?」一体それはどのようなものなのか、砂時計とともに同封されてきた小冊子を見ながら紹介しましょう。

 小冊子では花壇の水遣りや車の洗車、家のクリーニングなど、水を使う場面ごとに水の使い方の細かいルールが紹介されています。たとえばガーデニングの水遣りでは、『花壇への水遣りは20リットルまで。芝生への水撒きは禁止。水遣りにはバケツまたはジョウロを使用し、ホースやスプリンクラーの使用は禁止。水を汲むときには蛇口から直接水を取り、蛇口につないだホースから水を汲むことは禁止。』という具合に禁止事項が並び、水を撒く日も番地ごとに週に3回、午後4時から7時の間と決められてます。

 どうしてホースを使っちゃいけないの? と思った方、私も同様の疑問を友人にぶつけてみたところ、「ホースの中にも水が溜まるでしょ?」との答え。なるほど、庭の広い家が多いこの国では、水撒きには長いホースを使うのが一般的。水栓をひねってから水が出てくるまで、長いホースの中を満たす水の量も馬鹿になりません。

 こうした詳細なルールのほか、小冊子では節水のための“小技”も紹介されています。髪を洗うときにシャワーを止めれば一週間で一人170リットル節水できるとか、野菜は流水ではなくシンクに水を張って洗いましょうとか、車にこびりついた鳥の糞などの汚れは朝露を利用すれば簡単に落ちますなどというマニアックな技も紹介されています。ちなみに政府から送られてきた4分計ですが、これまでシャワーに7分かけていた人が4分に短縮すると毎回36リットルの節水になるそうで、目安にしてほしいということで配布されているそうです。

 さて、後日ホームステイ先の友人宅に州政府から水の使用方法に関するアンケートが届きました。水道水の使用量の多い家を対象に行われるアンケートには、バスルームの数や、一週間のシャワーの回数、食器洗浄機やプールの有無などの設問が並び、そのアンケートをもとに各家庭ごとの水道水の節水方法が検討されるそうです。

 もしや私が滞在しているから水の使用量が多いのでは? さっそく自分のシャワー使用時間を計ってみたところ、水を出している時間はジャスト2分。どうやら私がホームステイしたことで友人宅の水の使用量が跳ね上がったわけではなさそうです。
 水に恵まれた日本では、夏のダムの貯水率が極度に下がらないと取り上げられない節水の話題ですが、今回の件は普段の水の使い方を考え直すいい機会になりました。

(夏はカラスの行水・自然&環境系ライター/藤島斉、撮影/辻川元)



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