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東京の屋敷林に巨大なクモの巣現る?
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東京世田谷区の屋敷林で面白い光景に出くわしました。木立の間に張り巡らされた“巨大クモの巣”と、巣の上に乗って遊ぶうら若き乙女たち。一体何のパフォーマンスなのかと尋ねると、昭和女子大学が取り組む「せたがや家・庭・訪問」のイベントの一つですとの答えが返ってきました。
昭和女子大学では文部科学省が実施する現代GP(現代的教育ニーズ取組支援プログラム)環境に参加しているそうで、「せたがやの環境共生のひとづくり・街づくり―地域とつくる継続的な次世代リーダー育成プログラム―」をメインテーマに、様々な事業を展開しているそうです。そんな取り組みの一つがこの「せたがや家・庭・訪問」。世田谷区内の家や庭、町などをリサーチし、地域資産として価値のある様々なモノや場所を使わせてもらいながら顕在化させることを目的とするこのイベントは、1年をかけて全6回シリーズの予定で行われているそうです。
私が出くわしたのはその第一回目のイベントでした。世田谷区に残る数少ない農家の屋敷林の一つ「北烏山九丁目屋敷林市民緑地」を会場に、オープン・ガーデン・パーティーが開催され、その一画で行われていたのがクモの巣パフォーマンスだったわけです。
この“クモの巣”の仕掛け人は同大学の生活環境学科の教授で、サイト・リノベーションの研究を行う杉浦久子教授。サイト・リノベーションという聞きなれない言葉に首をかしげていると、「簡単に言えば、既に当たり前のものとしてそこに存在する空間の質を再発見し、顕在化させて新たな場所を作り出すことです」と説明してくれました。
「cobweb」という名が付けられた今回のプロジェクト。“クモの巣”を意味するこの言葉が付けられたプロジェクトのコンセプトは、“都会の森に佇める空間を作る”こと。「普段は何気なく通り過ぎてしまう木の下で足を止め、美しい梢を見上げて欲しかった」という思いから、無意識のうちに空を見上げる仕掛けを模索した結果がこのクモの巣だったそうです。なるほど、たしかに森の中にこんなものがあれば、子供でなくても乗ってみたくなります。実際、プロジェクト期間中には、クモの巣の上で気持ちよさそうにくつろぐ“オジサマ”の姿が幾度となく確認されたといいます。
さて、気になるのがこのクモの巣の作り方。必要なのはヨット用のロープ約1000メートル分と、クモの巣を支える木々、そしてこれらをしっかりと繋ぐ確かなロープワークの技です。今回のプロジェクトでも研究室の学生たちがロープワークの本を片手に、トラッカーズ・ヒッチやクローブ・ヒッチ&ハーフ・ヒッチ、ハーネス・ループといったロープワークを体に叩き込み、実際の現場ではランダムに生える木々の配置に頭を悩ませながらも巣作りを完成させたといいます。当初、10人がかりで4時間かかっていた巣作りは、40分にまで短縮されたそうですが、自分でも作ってみようかなと思っていた私がこの話を聞いて早々にあきらめたのは言うまでもありません。
(あやとりさえ苦手な自然&環境系ライター/藤島 斉)
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