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赤と黒の昆虫は毒をもっている?


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 「赤と黒」というと、確かフランスの小説にそんな題名のものがあったと思うけど、それとは関係なく、ここでは「赤と黒」に染め分けられた昆虫について少しだけ考えてみた。

 それというのも、近所の公園で、「アカシマサシガメ」というとても派手な赤と黒に染め分けられた昆虫を見つけたことがあるからだ。以前からいろいろといわれてきたことだけど、「赤と黒」に染め分けられた昆虫は毒をもっていて危険だとのこと、目立つ色彩は警戒色で、このサシガメも素手で触れるのがはばかられるほど派手な警戒色だと思った。

 なるほど、こいつは大きくはないけど、肉食のサシガメの仲間で、獲物を刺し貫いて体液を吸い取る頑丈で鋭い口器をもっていて、きっとそのときに毒を注入するのだろうなどと思った。
 が、ちょっと待てよ、アカシマサシガメはヤスデ(多足類)などを主に捕食していると聞く。しかしヤスデの仲間に「赤と黒」の見分けがつくのか? それにヤスデの仲間にもシアン系の立派な? 毒やら悪臭やらを出すものが多いけど、そんなケチな相手にわざわざ派手な色彩になって何か意味があるのだろうか?

 たしかに「赤と黒」の昆虫には毒性があるものが多いように思うが、これは鳥などの捕食者が間違って食べてしまうと毒の影響を受けるという種類の毒で、世間一般のヒトがアカシマサシガメを食べてしまうというチャンスはほとんどないだろうと思う。けれども一応鋭い口器を持っているので、樹木の樹皮下などで集団越冬する「ヨコヅナサシガメ」の幼虫ともども素手で触らないようにしたいものだ。

 などと考えながらフラフラと歩いていたら、ヒサカキの生垣に「ホタルガ」がとまっているのを見つけた。こいつも赤と黒が目立つ「食べたら毒仲間」(シアン系)だなと思って手をのばしたら、同じヒサカキの葉裏に隠れていた「ヒロヘリアオイラガ」の幼虫に触れてしまった。ずるい。「赤と黒」にばっかり注意を払わせておいて、こっそりと、しかも強烈に刺すなんて。しかし、それはこちらの不注意だからしかたない。

 ま、結論をいえば、「赤と黒」に染め分けられた昆虫は、むこうからこちらを襲うことは多分ない。だが見かけたら不用意に素手で触れたり、口に入れてみたりしないようにすること。それでも、どうしても興味があって、捕まえたいならば、付近に隠れているかもしれない「赤と黒」ではないホントの毒虫にも注意すること。

(さすらいのナチュラリスト/むいむい西田コージ)



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