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花も虫も人間界と同じ? 新興住宅地の新住民


●福島県二本松市で、日本最大級の菊の祭典「二本松の菊人形」が開催中です。鮮やかに再現された、大河ドラマ「風林火山」の名場面など、菊の花々による豪華絢爛な歴史絵巻が楽しめます。
 数十年以上前にはおそらく畑と雑木林だった神奈川県の、とある住宅地を散歩してみた。目的は特にはなく、ただ、この季節の地元産の昆虫や花なんかを見たかったからだ。
 スイカズラ科のアベリア(ハナツクバネウツギ)の生垣にやたらと眼がいく、この花木はもともと中国南部原産で、2種類のアベリア属の雑種だそうだ。本来ならそんな外来の雑種なんかは気にも留めないのだが、この花はなぜか昆虫たちのお気に入りのようで、いれかわり立ち代りいろいろな昆虫が蜜を求めてやってくる。

 ハチドリのようにホバリングしながら蜜を吸うホウジャク(スズメガの仲間)の一種なんかを見るとそれだけで翅先がアベリアに触れて墜落しないかとつい期待してしまうのだが、いつも期待を裏切り、何事もなく飛び去っていく、まあ、期待するほうがアホなんだけど。
 ぬいぐるみみたいで可愛らしいクマバチ(恐れられているクマンバチ=大型のスズメバチの別称 ではありません、念のため)は、ちょっと乱雑な感じで花を訪れるけど、これは羽音が大きいのと蜜だけじゃなくて花粉も集める必要があるからだろう。

チョウではこの季節、ツマグロヒョウモンが多いけれど、このチョウはもともと関東地方には生息していなくて、少なくとも中部地方より西に出かけなければ出会えなかった暖地のチョウだ、それが関東地方の平野で、ごく普通に見られるようになったのは、ここ6〜7年前ぐらいからだろうか?
 そんなツマグロヒョウモンを眼で追っていたら、スッとランタナの花に舞い降りた。

 クマツヅラ科のランタナは中米原産? の植物で、咲いた花の色が次々に変わるので、ヒチヘンゲ(七変化)の和名もあるのだが、この花の集虫力はかなり強く、やはり多種類の昆虫が蜜や花粉を求めてやってくる。惜しむらくは(何を惜しむんだか)日本では屋外で越冬できないので、毎年新しく植えなければならないということだろう。って、ここまで書いて気がついた。
 地元に昔からある花、昔から生息していた昆虫を探しに散歩していたんだ、いかんいかん、と思って、探しまわってみて、見つけた(というより嗅ぎつけた)香りの強いキンモクセイ、昆虫はあまり訪れないけど、これこそ日本産の香りの昇華したような花木、と思ったら、中国原産のギンモクセイの変種で、日本には江戸時代に渡来したらしい。ま、昔っていえば昔だけどね。

 続いて民家の庭先で見つけたのがホトトギスの花、ん? なんか違う、その昔に山の中でよく見かけたホトトギスの花とは違うような気がする?
 これはタイワンホトトギス(またはそれの交雑したもの)らしい、原産地に沖縄県の一部の島の名前があったので、日本産と呼んでもいいのだが、地元に昔からある花とはいえないだろう。

 なんとなく煮え切らない心持ちで、先ほどのランタナの花をよく見たら、ワカバグモの♂が待ち伏せしているのを発見した。ランタナの集虫力を知ってか知らずか、いい場所を見つけたものだ、さすがは古来から日本に生息していただけのことはある、と感激したが、ワカバグモは花でも昆虫でもありませんよ!

(さすらいのナチュラリスト/むいむい西田コージ)



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