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秋の夜長のムシ屋の楽しみと気がかり


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 温暖化の影響で10月に入っても気温が下がらず、昆虫採集が長く楽しめる喜びと環境異変の心配を同時に味わっている今日この頃です。

 今年の個人的話題は何といっても9月に入って、町内の牧草地で珍種のギョウトクテントウが複数頭採れたことです。戦前の1938年に福岡県で知人の老研究者である行徳直己氏(今もご健在です)が福岡県久留米市で発見した体長3.5mm前後のテントウムシですが、記録をみると以後、福岡県の数ヶ所・広島県・島根県・大分県玖珠町・宮崎県などで都合13頭しか確認されていない種なのです。
 いずれの既採集地でも1〜2頭しか採れておらず、今回の場所のように2桁の採集例はありません。おかげで微小昆虫採集の熱が再燃、温暖化の恩恵もあって、採集も続行しながらの標本作りと同定作業に追われている毎日です。

 前回もちょっと触れましたが、最近はデジタルカメラの出現で簡単に微小種の撮影もできるようになりました。加えて、解剖用の極細ピンセットも安価に手に入るようになって、体長1〜2mmのテントウムシの脚も立派にそろえることができます
 顕微鏡をのぞきながら、小さな虫の脚を引っ張り出したり、触角をそろえたりしながら、続々と出てくる新発見の喜びに震えているムシ屋の姿は、はたから見れば滑稽でしょうか? でも当人はいたって真面目なのです。読者の方々にはとうてい理解できないでしょうね。

 それから、今年は自然環境にまつわる心配な出来事が1つありました。7月に日田市内の人から「こんな大きなクワガタが我が家に飛んできた」と持ち込まれたヒラタクワガタのセレベス亜種のことです。市販されている外国産クワガタで、おそらく飼っていたものが逃げ出したものと思われますが、昨今問題になっている「在来種との雑交」の心配を肌で感じました。
 大量に輸入されている昆虫たちが日本の自然界に逃げ出したら……と考えるとゾッとします。それを思うと「1日でも早く在来種の確認調査をしておかねば……」と私の昆虫採集熱は上がる一方です。

(大分県日田市上津江町在住・昆虫ライター/佐々木 茂美)



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