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お散歩観察・秋のシジミチョウ
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秋が深まるとともに、身近で見られるチョウも夏のものとはちょっと違うような、それでいて、まだ夏を引きずっているような、なんとなく微妙な季節になってきた。
春のチョウは、それぞれの形態で越冬していたものが、暖かくなると同時に一斉に活動を始めて、劇的な変化を見せる。それに比べて秋のチョウは、夏からだらだらと引き続いて活動や世代交代を続けるというような、なんとなく、はっきりしないものなのかもしれない。
お散歩を始めて最初に見つけたのは、いつもどおり「ヤマトシジミ」だった。このチョウは北海道や東北地方北部以外の人里なら、だいたいどこにでもいるシジミチョウの仲間で、春から秋遅くまでふんだんに見かけるけど、春や夏にはもっと「個性のある」チョウにばかり眼がいってしまい、ヤマトシジミのようにどこにでもいるようなシジミチョウなどはそれこそ眼中になかった。
しかしこうしてみるとなかなか可愛らしいじゃないか。「どこにでもいる」ということで邪険に扱ってきたことを少しだけ反省していたら、今度はちょっと派手な「ベニシジミ」が登場。ううむ、これも普通に見られる種だけど、なんとなくヤマトシジミより格上に扱ってきた思い出がある。これは、このチョウの、秋には珍しい「オレンジ色」から来ているのだろう。驚かすと素早く飛んで逃げるけれど、花にとまってるときは、おっとりしていて心なごむしね
それにしても、ユーラシア大陸から北アメリカ大陸にかけて、この属のシジミチョウは何種類も分布しているのに、日本にはこの種だけしか分布していないって、不公平だ、などと、愚にもつかないことを考えながら近所の公園に立ち寄った。
この公園は、ふだんあまり手を入れられず、植栽の樹木なども茂り放題になっていたところが、私は気に入っていた。
しかし初夏の頃、珍しく樹木を剪定していたので、ことによったらと思っていたら、見つけました、「ムラサキツバメ」の幼虫。この、かなり大型のシジミチョウは、以前は関西方面より南にしか分布していなかったと記憶しているけど、現在では関東地方の平野部の新興住宅地の公園などではわりあい普通に生息しているようだ。
ただし、「ときどき剪定」して、「その後はしばらく放置」してあるマテバシイの存在が鍵のようだ。
理由は簡単、ムラサキツバメの孵化したばかりの小さな幼虫は、マテバシイの堅い葉を食べ始めることができないからだ。けれども、この公園のように、ときどき思い出したように剪定してくれると、マテバシイは、「切られちゃたまらん」とばかりに、柔らかい季節はずれの新芽の付いた枝を伸ばす、そこへ母蝶が卵を産みつけ、孵化した幼虫は柔らかくてみずみずしい若葉をたっぷりと食べて育つことができるわけだ。
よく、最近の暖地のチョウの分布の北上を「地球温暖化」と結びつけて説明されているけれども、こういう人為的な原因も少しは関係してくるのかもしれない。
話は元に戻るけれども、このムラサキツバメ、♂は翅表が妖しげに輝いているような、そうでないような、それほど美しいチョウとも思えないが、♀の翅表には、紫色に輝く美しい斑紋があり、♂よりも♀のほうが美しいという、異例ともいえるチョウで、とても気に入っている種だ。ただし、それは私がそう感じているだけで、このチョウの♀から見たら、♂の妖しげな輝きこそが至上の美しさなのだろう。
そんな美しいシジミチョウが、身近な場所で、気楽に見られるようになったのは、(あくまで個人的に、そして、地球温暖化問題を抜きにして、ですが)ちょっぴり幸せなことなのかもしれない。
(さすらいのナチュラリスト/むいむい西田コージ)
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【お断り:多摩六都科学館、一時休館のお知らせ】
10月13日配信の【第1620号】 現代の万華鏡を見て触れて作る『第7回日本万華鏡大賞』
の多摩六都科学館は、構造設計に携わった設計事務所による構造計算書の偽装が判明した
ため、10月19日より一時休館となっています。
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