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干し柿ではないよ! 蝶の蛹を見に行こう


●東京都台東区の鳥越神社では、明日「とんど焼」が行われます。平安時代から続いている、正月のしめ縄や古い御札などを燃やす伝統行事です。この火で焼いたお餅を食べると、その1年健康でいられると伝えられています。
 ある日、ある場所を訪ねたら、面白い光景に遭遇しました。はて、一体これは何でしょう? 干し柿を吊るしてる?(違います。)それでは秋田の夏祭り、竿燈の提灯かい?(って、それはかなりムリがある。)

 ここは住宅地の一角にある巨大ケージの中。井戸水を循環させた小川が流れ、自然に近い形で様々な草花が植えられています。冬の季節、視界に入るうごめくモノといったら、せいぜい小川に浮かぶアメンボウくらいですが、夏になるとこのケージの中でホタルが乱舞する姿を見る事ができるそうです。そしてトンボやカエルなど、他の生き物もいます。……といよいよ核心に近づいてきたので、本題の面白物体にズームイン!

 枝にひしめくモノには何やら命の鼓動が……、よーく見るとかわいい目が二つ。そうです! 正解は『ジャコウアゲハ』のサナギです。
 サナギのおしりのかぎつめに真綿をひっかけ、その真綿をよって糸みたいにして枝に巻いたりしているサナギの数は、何と150匹以上。サナギ軍団みたいでかなり見応えがあります。他にも、スミナガシ、キアゲハ、ナミアゲハ、アオスジアゲハなどのサナギもいました。

 ところが、私が訪ねた数日後にそのサナギの一部がケージ内に侵入したネズミに食べられてしまった! と。慌てて見にいったら、ネズミの犠牲になったのはスミナガシのサナギ。他にたくさんいるジャコウアゲハのサナギは無事でした。何故なら、ジャコウアゲハの幼虫はウマノスズクサという毒を持った葉を食べ、体内に毒素を蓄え外敵から身を守っていて、それにネズミも近づかなかった訳。双方に生きる技ありですね。

 そんなこんなもきっかけで、足しげく訪れるようになったこの場所は、東京都武蔵野市吉祥寺にある『むさしの自然観察園』。武蔵野市を中心に自然環境教育や環境保全の活動をしているNPO法人『武蔵野自然塾』がこの園の維持管理を行っており、巨大ケージは施設の目玉の一つです。
 ホタルを中心に蝶やトンボを飼育、かこいによって天敵を排除しているため、驚くほどに人間を怖がらず、産卵や交尾、吸蜜の様子を間近で観察することができるそうです(写真はジャコウアゲハのオスとメス、自然観察園内。スミナガシの成虫と幼虫、青梅で採集。撮影/山崎誠氏) 遠くへ行かなくても、都会のこんな身近で自然に触れられる空間、しかも冬の時期にこんな大量の蝶のサナギに出会えるなんて、灯台下暗し!
 求めているものって案外自分の足元に転がっているんですね。

(フォトグラファー/松美 里瑛子)


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◇◆『むさしの自然観察園』DATA◇◆
住所:武蔵野市吉祥寺北町3−13
  (ムーバス吉祥寺北西循環 28ポケット広場 下車 徒歩約1分)
施設内見学可能時間:火・水・木・土・日(13時〜17時)
TEL:0422-55-7109
HP:http://www.shizenjuku.org/index.htm



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