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新春の大空を舞ったイカタコ?


●大人の情報誌「サライ」最新号、本日発売。特集は「没後40年、世界を魅了した稀代の画家―藤田嗣治の素顔」です。明治の時代、ピカソ、モディリアーニらと共に、美術界で大きな潮流を作りながらも、日本人らしさに固執した生涯を辿ります。
 お正月の定番の遊びといったら凧揚げ、羽根突き、こま回し。読者の皆さんはどんな遊びをしましたか? 滞在中の函館で新春らしい風景はないかと街を歩いていると、青空に奇妙なものが浮かんでいるのが目に留まりました。連凧です。カメラのレンズをズームアップしてみると、凧から糸が伸びているのが確認できたので、さっそく糸の延びる方へ向かってみました。

 糸の先は函館港の中にある人工島「緑の島」。広場では数名の大人が凧のセッティングの最中で、これからなにやら楽しいことが始まりそうな雰囲気が漂っていました。

 凧揚げに不可欠な風は微風状態。見物するにはいいけど凧を揚げるほうには厳しいなぁ、と言う声が上がる中、「大丈夫、11時になったら吹くことになってるから」と自信満々に宣言するのは、創作凧治工房の凧師梅谷利治さん。元函館東高校の美術の先生で、40年以上凧を作り続けているという凧師は、何かのおまじないなのか時折空を見上げながら両腕を大きく広げていました。
 すると間もなく、程よい風が吹いてきたから不思議です。この日用意された凧の多くが梅谷さんの手によるもので、宝船を模した凧や、函館名物のイカを模した凧など、独創的な凧が風を受けながら次々に舞い上がっていきました。

 「凧はね、人の想いも乗せて飛ぶんだよ」という梅谷さん。今年の干支にちなみ、24年前の作品「子鳳丸」、12年前の作品「子大黒天」、今年初揚げとなる「福子連」の三世代の凧88枚が連なった連凧には願い事の書かれた短冊が付けられ、大空へぐんぐんと上がっていきました。飛行が安定すると、「凧を引きながら願いを込めればかなうよ。縁起物だから引いてみな」と、見物客一人ひとりに凧の糸を持たせてくれるサービスぶりで、ものは試しと糸を持たせてもらった私の手には、予想をはるかに超える力強い手応えが残りました。

 見物客が盛り上がる中、ついに登場したのが、かつて国際凧揚げ大会の場で“世界で最も独創的な凧”と称賛された凧「北海天竜」。間近で見ると迫力のある顔をしていますが、空を泳ぐ姿はそれはそれは美しく、観衆からは「わーきれい」と、ため息交じりの歓声が上がっていました。お正月から伝説の竜の姿が拝めた今年は、よい年になりそうです。

(自然&環境系ライター/藤島 斉)



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