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日比谷野音から出発。ロッカショを考えるパレード


●『ロッカショ 2万4000年後の地球へのメッセージ』(講談社/1200円税込)
STOP ROKKASHOプロジェクトに参加するSUGIZO氏が中心となり、六ヶ所再処理工場の概要と問題点を分かりやすく解説した本。同プロジェクトを立ち上げた坂本龍一氏をはじめ、自民党の河野太郎氏、反対運動に関わる様々な人も登場する。
 歩いているのはスキー場に旅立つスノーボーダー……ではありません。サーファーです。1月27日(日)、東京都心の日比谷公園から東京駅に至る約2kmにかけて、サーファーや漁師、生協、食品関係団体などに一般市民を加えた約2000人によるパレードが行われました。青森県六ヶ所村の核燃料再処理工場の本格稼働中止と、反核を訴えるデモ行進です。

 なぜ、サーファー、漁師、食品関係者なのでしょう? なぜ、核燃料のリサイクルを進める施設に反対するのでしょう? 世の中の人たちがこの理由をよく理解しているなら、こうしてパレードをする必要はなかったのかもしれません。知らないことが知らないうちに行われようとしていることに、大きな危機感が抱かれています。

 核燃料再処理工場とは、原子力発電所の使用済み核燃料からプルトニウムやウランを取り出す施設で、それらを再び原子力発電の燃料として用いるのが核燃料サイクルです。しかし、その再処理過程で放出される放射線の量は、原子力発電所に比べ桁違いに多い上に、核兵器にも使われる非常に危険なプルトニウムを大量生産することに、大きな懸念が持たれています。また、取り出したプルトニウムの利用(高速増殖炉やプルサーマルによる発電)の目処やメリットが不明確なことにも疑問が示されています。

 そんな六ヶ所村再処理施設の本格稼働は2008年中にも予定されており、日本中の原発から使用済み核燃料が運び込まれ、高さ約150mの煙突と、沖合約3km、水深44mの海洋放出口から、放射性物質(放射能を持つ物質)が放出されることになります。もちろん、政府や事業者の日本原燃によると、これらの放射性物質は大気や海水によって拡散・希釈されるので問題ないとされています。かといって、あなたは安心して六ヶ所村周辺の農産物や海産物を食べられますか? イギリスやフランスの再処理工場周辺では、子供のガンや白血病の発症率が高まっていますが、六ヶ所村は大丈夫でしょうか? こうした危険性を切実に訴えているのが、今回のパレードに参加者たちです。

 “ストップ・ロッカショ”を呼びかけるトークショーやライブが日比谷公園で行われた後、パレードはスタートしました。先導車は、「六ヶ所再処理工場反対!」「放射能汚染をやめろ!」「NO NUKES!」などとかけ声を発し、参加者は思い思いのプラカードを掲げて歩きます。小さなお子さんを連れた夫婦や、若い女性も多いことが印象的でした。私たち日本人は、既に原子力に頼って生きているのは確かです。しかし、原子力は“持続不可能なエネルギー”です。燃料であるウランの埋蔵量は残り約80年分といわれ、再処理工場から生じる処分のしようがない高レベル放射性廃棄物は、未だにどこに埋めるのかも決まっていません。彼らの悲痛な叫びは、巨大電力消費地である東京の人たちに、どう映ったのでしょうか。

(樹木&自然環境ライター/林 将之)



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