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地層に棲む昆虫と、その名前、ご存知ですか
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大寒を過ぎてやっと冬らしく? 寒さが厳しくなってきた九州ですが、それでも例年にない陽気です。前回はねずみの巣穴にいる昆虫を採集する話でしたが、その後「穴の中の昆虫」に興味を覚えてとうとう私自身が穴に入ることになりました。
実は、最近「改名騒動」の渦中にあるメク○チビゴミムシを採るためです。近くにある 中津江村の鯛生金山洞穴では2000年に新種のタイオメク○チビゴミムシRakantrechus taio S.Ueno et Soneが発見されていますし、日田市と中津市の境にある山国町の金山跡地洞穴でもキクヤメク○チビゴミムシRakantrechus kikuyai S.Uenoが発見されています。
正月明けの休日、虫屋仲間を誘って両洞穴にトラップを仕掛けに行きました。(こういった洞穴に入るには事故防止の観点から、必ず事前に管理人に許可を取り、入出坑時に必ず連絡をしましょう)。トラップは各人各様でさまざまな工夫が凝らされていますが、要は肉食性の昆虫をおびき寄せ逃げられないような仕掛けでありさえすれば良いのです。私は鶏肉のミンチにチーズを混ぜ腐らしたもの、友人はエソのミンチにサナギ粉をまぶしたものを使いましたが、2週間後に回収したところ、いずれの仕掛けにも入っていました。
洞穴内では無数のテングコウモリが天井に張り付いていて気味が悪かったり、落盤箇所や深い泥に足を取られ転んだり……と事故には繋がりませんでしたが、やはり単独行は危険だと痛感しました。
このメク○チビゴミムシの仲間は以前は「洞窟で進化した洞穴昆虫」と考えられていましたが、洞窟以外でも広い範囲の地層内に生息している昆虫であることが近年明らかになってきました。ですから、金山跡地など開抗100年足らずの洞穴でも発見される訳です。
この地下生活に適応し、複眼を失った一群であるメク○チビゴミムシに今「改名騒動」が起きています。和名に差別的に聞こえる要素があるため、研究者の間で議論が沸騰しているのです。しかし、この洞穴性昆虫の一番の研究者である元国立科学博物館の上野俊一博士は「実際の差別と無関係であり、標準和名は学名に対応しており、改名は混乱を招く」と改名反対を強く主張していて、当面は改名されない模様です。
私の意見ですが、「昆虫の和名は一目でそれとわかる名前、生息場所や習慣を連想させるもの」が一番と思います。スネケブカヒロコバネカミキリやモジャモジャツチイロゾウムシなどは一目瞭然、素晴らしい日本人の感性だと痛感します。混乱を招くといっても学名を変えずに和名だけ変えれば影響は少ないはず。近年、メク○カメムシの一群がカスミカメムシに改名されましたが、それほどの混乱もありませんでした。メク○をホラアナ若しくはホラズミに変えるのも一手ではないでしょうかねえ?
(大分県日田市在住・昆虫ライター/佐々木 茂美)
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