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ミセス・ファーマーの四季暦「2月・早春の仕事始め」
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生まれも育ちもずーっと東京で生活していた私が、北海道の専業農家に嫁いでもうすぐ3度目の春を迎えます。家の周りはまだまだ雪に覆われていますが、長い冬の休みもそろそろ終わりに近づき、春へ向けての準備が始まりました。
今年初の農作業は、冬の間畳んでおいたビニールハウスの屋根かけの作業です。私の住む道南地方は比較的温暖な地域でありながらも、我が家はやや小高い山側に位置しているため雪が多く、冬の間は雪で潰されないようにビニールハウスの屋根の部分を巻き上げて、骨組みだけにしています。毎年繰り返されるこの作業を新人ファーマーの私などはつい「面倒くさいなあ」と考えてしまうのですが、これを行う利点もあって、春から秋にかけて働いてくれた土にしっかり冬眠をしてもらうのです。冬の間雪の下敷きになる事によって、作物の病気の原因となる菌などが死滅して、春になるとまた養分を蓄えた元気な土として甦るというわけです。
雪が少なめな今年の冬ですが、それでも40〜50cmの雪が積もっています。まずは除雪機でハウスの中と周りの雪をどかし、細かいところはスコップで雪かきをして、ビニールの屋根を下ろして紐を張る……ただこれだけの作業。あとは太陽の光でビニールハウスの中が暖かくなれば、地面に残っている雪は勝手に解けてくれます。
今年植えつけるビートの苗を育てるためのハウスを今から作っておくわけですが、これが始まると「いよいよ春が来ちゃうのか〜」と思ってしまいます。というのも、雪が深い冬の間は雪かき以外の作業はほとんどなく、毎日が週末のような生活なのです。都会のOL時代、日曜日の夕方になると悪あがきしていたように、「もうしばらくだらけていたいよ〜」と、心の中で“冬季限定!三食昼寝付きの極楽生活”への別れをちょっぴり惜しんでしまうのです。
さて、せっかくハウスが一つ出来上がったので、今日は久しぶりに愛犬のトムをハウスの中で放してあげました。そうなんです。ビニールハウスはドッグランにもなるんですね〜! 犬は喜ぶ喜ぶ! 飼い主同様冬の間にでっぷり太った身体を、ここで思い切り走ってシェイプアップできるので犬にもよし、ついでにトムがフンをしてもそれはそのまま畑の肥やしとなり、一石二鳥なのでした。もうじき訪れる春に向けて、一緒にスリムにならなくちゃね、トム!
(駆け出しスローライフエッセイスト/入舩 めぐみ)
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