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チェーンソーで彫刻!これぞ芸術、感服しました


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 やっと桜が開花し始めた4月。私の住む日田市津江地域でちょっと変わった道路標識が話題になっています。日田市の中心部から津江方面に向かう県道、国道の所々に杉の丸太をワシやフクロウなどに彫刻した道路標識が目に入り「おやっ、何だ!」とドライバーの目を楽しませているのです。

 この標識は今年の2月、上津江、中津江両商工会と地域の農家などが地域活性化を図ろうと取り組んでいる「津江の郷匠のハートツーリズム」事業の一環で「地域内に道路標識が少ない」との声に提案され、「どうせ作るなら津江らしいものを作ろう」と地元の若者等がメンバーの「チェーンソーアートクラブ中津江」(永瀬正直会長5人)に依頼したのです。

 チェーンソーアートはもともとカナダ等北米のログハウスの玄関や窓枠を飾るためにチェーンソーで彫られていたものだそうですが、1本の丸太をチェーンソーだけで彫刻するというパフォーマンス性のある芸術です。最近は全世界にチェーンソーアート人口も増えていて、世界大会や日本大会も開催されているといいます。昨年、その日本大会に参加した永瀬会長に聞くと「2mの杉丸太を5時間という時間の中で技を競うのですが、何をモチーフにするのか、いかに表現するのか、を頭の中に設計図を書くのが一番難しい」と話してくれました。

 永瀬さんの自宅に伺うと、倉庫や軒下に作品の数々が置かれていますが、どれもこれも「本当にチェーンソーだけで?」と感嘆する作品ばかり、ちなみにチェーンソーは荒削りから細部の彫刻に至るまで3〜5種類を使うそうで「道具の選び方とメンテナンスが一番重要です」と話してくれました。

 依頼された標識はその5人のメンバーが休日を利用して作りましたが、2mあまりの杉丸太にチェーンソーを入れた瞬間、削りクズが大空高く飛び散る光景は圧巻です。そして見る見るうちに形が整えられてゆくのです。設計図も何も無い、まるで「一筆書き」のようなチェーンソーアート。ちょっと間違えると取り返しがつきませんから、その技たるや感服するばかりです。芸術オンチの私なんか「ハアー、ホォー……」と声にならない音を口から出して見守るだけ。

 標識は上・中津江地区の24箇所に設置されましたが、24ヶ所目の標識を設置する現場に偶然居合わせたので作業を見ていると、ユニックで吊り上げて設置した後、倒れないように棒杭で補強し、防腐剤を塗って完了でした。
 林業の盛んなこの津江地方ならではのチェーンソーアート、永瀬会長以下のメンバーの目標は「まずは全日本チャンピオンだ」そうで、是非目標に向かって頑張ってほしいものです。しかし、絵画や音楽同様に好きだけでは上達する分野ではありません。天性の感性がなければ……とこれも芸術オンチの私だけの感想でしょうか?

(大分県日田市在住・昆虫ライター/佐々木 茂美)



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