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ヒッチハイクのチャリンコライダーが行く
「タダ美味」の旅・5「海鮮食べ放題」の巻(後編)
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海岸へ足を踏み入れると、カツオの香りがホワ〜っと充満していた。左手にはカツオを炙る煙が、右手にはカツオを煮込む鍋から湯気が上がり、正面で大量のカツオが捌かれていた。カツオの総量は500kgとのこと。どうりで香ばしいわけだ……。
これは5月18日(日)に岩地海岸(静岡県松崎町)で行なわれた『大漁祭り』に参加した時の様子。大量に準備されたカツオはニアイナマス(タタキに似た郷土料理)、潮汁、刺身にして振舞われた。この他にも、ソウダガツオ、キビナゴ、トビウオ、エボダイ、イカが入った海鮮バーベキューと、ハマグリ、ところてん、ソフトクリーム、日本酒、ビール、ラムネ等が振舞われ、来客者はお腹をいっぱいに満たして帰路に着いたのであった。
僕は今、こうした“タダ喰いできるお祭り”を目的地に、月に一度旅をしている。移動はヒッチハイクと持参した折りたたみ自転車。タダで行ってタダで喰うという訳だ。
1月は広島で牡蠣を、2月は長野で蕎麦を、3月は山口で河豚を、4月は山菜をタダ喰いしてきた。5月はカツオを食べ、海岸に設営された露天風呂に入ろうと思い、大漁祭りに参加したのだが……。
旅の初日は、ヒッチハイクをメインに東京から静岡県の沼津市まで移動。2日目は自転車がメイン。途中、三島の柿田川湧水群で富士の雪解け水をタダで汲み、伊豆半島の至るところにある“タダ足湯”(疲れが取れるんだよな〜これが)で足を休めながら松崎町内に入り、翌日の祭りに備えた。
その昔、カツオ漁が盛んだった岩地地区では、初漁から戻った漁師が漁船からニアイナマスを振舞った。子供たちはツワブキの葉で作った皿を持ち、我先と船を囲んだ。この習慣を祭りとして残したのが大漁祭りなのだ。
ニアイナマスとは、カツオを軽く炙り、包丁の嶺で叩き切り、塩をまぶしたジューシーな漁師料理。火を通すことで赤身の内側に凝縮された旨味が、噛めば噛むほどにじみ出てくる。一般的なカツオのたたきと違い本当に叩いているので、触感はフワリとしている。
潮汁は、隠し味としてショウガとスライスしたタマネギを入れるのがポイント。ダシの王様であるカツオの香りと甘み、それに加え、化学調味料ではおろか、上等なカツオ節ですら出し得ない、生魚ならではの肉味が、エキスとなって口の中に注がれる。
海鮮バーベキューは焼き放題の食べ放題。会場には殺気が漂い、「そのイカ喰わせねぇと暴れちゃうよ」などと主張する小学生や、「喰うだけじゃなくて焼けよ」と叱咤する漁師もいた。
ハマグリは砂浜にばら撒き潮干狩りレースとして、岩地特産のテングサを使ったところてん、ソフトクリーム、ビール、ラムネは早喰い&早飲みレースの食材として振舞われた。ところてんの早喰いに参加したとあるお母さんは、「酢の臭いでむせる〜」などと可愛らしく言いながらも、スタート直後に一皿分を一気にすすり込み、右腕で口を拭いながら、左手で優勝商品の岩海苔を握り締め、高々と掲げていた。
どうやらこの祭りでは、漁師料理の味だけではなく、“早い者勝ち”というしきたりもしっかり受け継がれているようである……。
お祭りで振舞われた料理は岩地地区の宿泊施設で味わえるというから、「ゆっくり味を堪能したい」と思った読者の皆さんはこちらの方がオススメかも!?
(ヒッチちゃりだー/村田 貴紀)
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◇◆DATA◇◆
『岩地観光協会』
場所:静岡県松崎町岩地
電話:0558(45)0116
◇◆人物(プロフィール)◇◆
ヒッチちゃりだー/村田貴紀
大学卒業後、電機メーカーに就職するが早期退職し、ヒッチハイクと折りたたみ自転車で日本一周の旅に出る。その経験を元に、『寝床の値段』(東京☆一週間・関西☆一週間/講談社)、『ヒッチハイク先生からのお手紙』(不二家Webサイト)、『1日10秒の四字熟語塾』(AOLダイアリー)等の旅コラムを連載。BE-PALでは記者を務めるなど、現在はフリーライターとして活躍中。
HP:http://tabi.cc/
旅ブログ:http://ameblo.jp/kuinige/ ☆メッセージ書き込み歓迎!!
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