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フランス版フリーマーケット“ヴィッド・グルニエ”
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外で過ごすのが気持ちのいい初夏から秋にかけて、フランス各地ではヴィッド・グルニエがさかんに行われます。「屋根裏を空にする」という意味のヴィッド・グルニエ、個人のガレージセールというより地域の人のお祭りみたいです。
週末、緑の多い広場や公園がたいてい会場になります。遊ばなくなったおもちゃ、着なくなった衣類を並べる子供から、家中カラになったのでは? というほど家具を置いている人まで、どこのブースも個性的。
家族総出、あるいは友人たちと、おしゃべりしながら店番して、お昼にはパンとワイン、チーズでピクニック、結果、少しお金になればラッキーという感じです。
訪れる人にとって、ヴィッド・グルニエの醍醐味は売り主とのやりとりにあります。
――(絵を売っていたムッシュに)これ、いくらですか?
「それねぇ、今朝、額縁割っちゃったばかりなんだ。3ユーロでいいよ」
ほかにも、今朝壊したばかり、という銀の柄のサラダサーバーを置いているマダムがいました。壊れているものは特に安いので、ねらい目です。
――(台所用品を並べるマダムに)売れてますか?
「あんまり。買う方が多くて(笑)」
このマダムは店番そっちのけで買い物に夢中。パスタパンの値段を聞くと、
「3ユーロ。安い? 家にまだいっぱいあるのよ。恥ずかしいぐらい」
想像がつきます。パリのヴィッド・グルニエで、夫のものだというブランド紳士スーツを破格で売っていたマダムも、「まだいっぱいあるからいいの」とさばさばしていたような。商品を通して、売り手の暮らしぶりや人柄にふれる楽しいひとときです。
毎週のようにヴィッド・グルニエめぐりをしていた私たちですが、ついに自ら出品することになりました。私たちの商品は、安さにくらんで買ったおんぼろ鍋(日本に送るほど愛着がない)、読み尽くしたガイドブック、未開封のバーベキュー用炭(買いすぎた)などなど。目玉はゴミ捨て場で拾った電子レンジ(なぜか新品同様)です。
ほんとうに売れるのだろうか、だれが買うのだろうかとどきどきしていると、まずはガイドブックが1冊売れました(1.5ユーロ)。店番を連れに任せ、ほかの店で買い物をして戻ると、
「ランプシェードが売れたよ」
日本から持ってきた牡丹の柄の提灯型ランプシェード(未使用。100円ショップで購入)を、小学生の女の子が一目見るなりご購入(1ユーロ)。「この子はアジアの雑貨が好きで」とお母さんがいっていたとか。
さて、いちばん売れてほしい電子レンジには、あるカップルがとてもひかれた様子。男性がシシリー人だと判明すると、そのあとシシリーに行く私たちと話が盛り上がり、少し値引きした末、18ユーロでお買い上げとなりました。
結局、用意した商品は、ほぼ完売。売り上げはしめて25ユーロ。外で1日ピクニックしながら、家の不要品を減らし、買い物もして、少しお金になるかもしれない……。ヴィッド・グルニエも楽しいアウトドアの遊びのひとつ、かもしれません。
(ライター/山下 智菜美)
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◇◆参考◇◆
ヴィッド・グルニエ情報は、開催日が近づくと近隣の町や道路などに案内ポスターが張り出されます。また、観光案内所の中には、いつ、どこでヴィッド・グルニエがあるというリストを用意しているところもありますので、滞在地で問い合わせてみてください。
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