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ヒッチハイクのチャリンコライダーが行く
「タダ美味」の旅・7「とろけるウニ」の巻(後編)


●今までの『タダ美味の旅』は、こちらからまとめてご覧いただけます!
 生きているウニを自ら割り、今にも崩れそうな橙(だいだい)色の粒をスプーンですくう。粒は舌の上でとろ〜りとろけ、同時に磯の香りが鼻を抜けて、脳幹を揺さぶる。
 「そうそう、この感覚だよ〜」
 以前、利尻島でウニを食べて感激したときと同様、美味しさを舌ではなく脳で感じた瞬間だった。
 これは7月19・20日に礼文島で行われた『うめーべやフェスティバル』で、振舞われたウニを食べた時の様子。日本海の塩気をたっぷり含んだウニには、調味料など必要としないほど、うまみがぎゅぎゅっと詰まっていた。

 東京から礼文島までの道のりは、陸路をヒッチハイクと自転車で移動し、海をフェリーで渡り、5日間を要した。通常、一般の交通機関は利用しないのだが、今回は本州〜北海道、北海道〜礼文島と2度回海を渡る必要があったため、特例で船を利用した。

 礼文島、並びに周辺地域は、『利尻礼文サロベツ国立公園』に指定されていて、自然豊な環境が保たれている。地表を覆う透き通るような黄緑色をした植物は来訪者の心を癒し、長旅で蓄積した疲れを吹き飛ばしてくれる。
 周辺の海域は汚濁が少なく、陸から流れ出る養分を豊富に含む。また、リマン寒流と宗谷暖流が入り混じり、海中に生息する動植物の種も多い。礼文島は海の味覚の宝庫でもあるのだ。そして、祭りで振舞われた、ウニ、ホッケ、タコ、カレイが、僕の心を高揚させたのだった。

 礼文島周辺の海域は水温が低く潮の流れが速いため、油ののりが良い、身のしまったホッケが育つ。ホッケは鮮度の劣化が激しいため、準備されていた大量のホッケはその日のうちに全て炭焼きにして振舞われる。本州で一般的に食べられている、やわらかく淡白な味の『シマホッケ』とは種が異なり、噛み応えのある、味にこくのある肉が印象的だ。
 タコはその調理法に特徴あり。礼文島では、塩もみしてぬめりを取り、生きた状態で釜に入れ、半生で湯から上げるのが主流。振舞われた茹でたてのタコは、豆腐のようにやわらかく、ふっくらとした食感が新鮮だった。噛むほどに吹き出してくる肉汁は甘く、しょうゆをつけて食べるのとはまた違う美味さがある。
 肉厚に捌かれたカレイの刺身はもっちりしていて、スルメのように噛めば噛むほど味わい深かった。どれもこれも、今まで食べてきたものとは“ひと味違う”印象を受ける。

 礼文島の漁は、短時間の刺し網が基本。目の前の海に早朝2時ごろ仕掛け、5時ごろには網を上げる。小中規模の漁船がほとんどなので水揚げにかかる時間も短い。漁場が近いから、当日の市にも間に合う。礼文島で水揚げされる魚介は“獲れたて”がほとんどだ。
 ウニ漁は、主にひとり乗りの磯舟で行なう。箱めがね(木で作った水中めがね)で海中を覗き、タモですくう。ウニを傷つけないように銛は使わない。箱めがねは歯で操り、オールは足で漕ぎ、水中を覗いたまま舟を操る。漁は年間3ヶ月、一日2時間に限定して行う。

 近年では食塩パックを使った方法などの上等な保存技術も生まれているが、活ウニのとろ〜りとした感触は、島へ行って実際にウニを割らないと味わうことはできないだろう。ウニむきは島内の『うにむき体験センター』でも体験できるというから、この夏休みに礼文島に渡り、ウニの美味しさを脳で感じてみてはいかが?

※次回のタダ美味の旅の予定は、後日改めてairBE-PAL、またはリアルタイムで更新しているブログにて報告いたします。

(ヒッチちゃりだー/村田 貴紀)


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◇◆DATA◇◆
『うにむき体験センター』
時間:8時〜17時
期間:4月〜10月(ウニ漁の具合により前後)
住所:香深村字起登臼
電話:0163(87)2506

◇◆人物(プロフィール)◇◆
ヒッチちゃりだー/村田貴紀
大学卒業後、電機メーカーに就職するが早期退職し、ヒッチハイクと折りたたみ自転車で日本一周の旅に出る。その経験を元に、『寝床の値段』(東京☆一週間・関西☆一週間/講談社)、『ヒッチハイク先生からのお手紙』(不二家Webサイト)、『1日10秒の四字熟語塾』(AOLダイアリー)等の旅コラムを連載。BE-PALでは記者を務めるなど、現在はフリーライターとして活躍中。

HP:http://tabi.cc/
旅ブログ:http://ameblo.jp/kuinige/ ☆メッセージ書き込み歓迎!!



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