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食の隠し味「鮎魚醤」を知っていますか?


●air BE-PAL 2007年6月の3つ星投票結果がでました。みなさんからの生の反響が数字になっています。参考までご覧になってみてください。
 私の住む「水郷日田」の夏の風物詩は何と言っても三隈川に浮かぶ屋形船と鵜飼い。昼間の三隈川では鮎を求める太公望たちで賑わい、夜になると鵜を巧みに操る鵜匠の技に歓声を上げる観光客の嬌声が川面に浮かぶ屋形船から聞こえてきます。

 そんな三隈川のそばで100年以上、味噌・醤油の醸造業を営んでいる老舗「まるはら」原次郎左衛門氏(59歳)とは10数年来の知己。味噌、醤油はもちろん、自慢の虹色ラムネなどアイデア満載の次郎左衛門氏、2年前「今度は鮎で魚醤を作ったんだが、どんな料理に合うのか試してくれ」との依頼に私は答えられずにいました。
 ところが先日会ったら「昨年末にできた製品でようやく満足できる品質になったよ」と新製品の「鮎魚醤」に自信を漲らせている様子なのです。

 「魚醤」はタイの「ナンプラー」、ベトナムの「ニョクマム」のように、東南アジア料理にはかかせない食材。魚を発酵させて造った醤油で通常の醤油に比べうま味成分のアミノ酸が多いのが特徴です。ですが、その独特の臭いが「苦手」という人も多く、わが国の普及率もイマイチなのです。

 7年前、鮎の養殖業者から規格外の鮎の有効利用を持ち掛けられた時、アイデアマンの次郎左衛門氏の脳裏に浮かんだのが魚醤でした。さっそく研究を始めてみると、淡水魚は海の魚と違い耐塩性の雑菌がおらず、多量の塩を混ぜると臭いの原因になる菌が死滅するということがわかりました。そして、大分県産業科学技術センターとの共同研究で、淡水魚を使った魚醤の製法を確立したのです。「ウチの鮎魚醤は臭わない、それでいてうま味もたっぷり。アミノ酸の含有率もウチの醤油の1.5倍。あらゆる料理の隠し味に使える」と自信もたっぷり語ってくれました。

 水洗いした鮎を1匹ずつ丸ごとミンチにかけてすり身にし、塩とタンパク質分解酵素を加えます。それをステンレス製のタンクに移して発酵、熟成させること約4ヶ月、薄茜色の鮎魚醤が出来上がるのです。「まるはら」では、この「鮎魚醤」に加え、鮎魚醤入の焼肉のたれや卵かけご飯用の醤油「たまごはん」も製品化し、さらに小麦、大豆未使用の「ノンアレルギー醤油」も開発中(一部試作)で食物(大豆)アレルギーの人には朗報なのです。

 現在、この「まるはら」の鮎魚醤は東京都内のデパートなどでも売られ、有名イタリア料理店でも使われて静かなブームを呼んでいる、とか。
 この鮎魚醤が「日本の食の隠し味の定番になる日は近い」と私は期待しているのですがいかがでしょう? 貴方も試してみませんか?

(大分県日田市在住・昆虫ライター/佐々木 茂美)


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