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[ロンドン通信]魔女にもお馴染み? の野草料理


●ロンドン在住のフォトグラファー、山内ミキさんのウェブサイト「MIKIY PHOTOGRAPHY」。スタイリッシュな写真が満載です。
 イラクサは漢字で刺草と書くとおり、肌に触れただけでピリピリと痛むやっかいな植物なんだけど、食べるとおいしい。日本では深山刺草というのがあるらしいが、私の住むイギリスでは深山なんて奥ゆかしくはなく、公園に行くと心の片隅に「イラクサレーダー」を張るほど、あちこちにたっぷり生えているのである。英語ではネトル(Nettle)といい、料理やシャンプーなどに利用しているのを見かける。かねてから気になっていた、このイラクサ料理に挑戦してみた。 鉄分とビタミン類(特にC)がたっぷり含まれているのは大きなオマケだ。

 春の柔らかな芽吹きを待ってもよかったのだが、「冬イラクサと栗のリゾット」という秋の食欲をそそるレシピを発見したので、ゴム手袋でいそいそと、裏の公園でイラクサ摘み。今の季節でも若葉が4枚ほど先端に生えていて、それを狙い撃ちしているうちにスーパーの袋半分くらいになった。ついでに栗拾いもしてくる。こちらはリスの残り物ばかりだけど夢中になるうちこれくらい集まった。

 水洗いしてから、フライパンでさっとバター炒めにし、食べやすく刻んでおく。調理するとトゲトゲはなくなる。お味はというと、なんだかナッツ類を思わせるコクがある。リゾットの作り方は省くけど、剥いた栗を行程の中ほどで投入し、仕上げにイラクサを絡める。うーん、栗の甘みとイラクサのコクが調和して、かなりおいしい。

 翌日は残った葉っぱでネトルティー。お湯を注いで5分ほど蒸らす。ほうれん草のゆで汁みたいで、んー、これはあんまり好きではないかな。

 そういえばアンデルセンの童話に、白鳥に変えられた王子たちのために、末妹がせっせと服を編む話があるのだが、その作業を辛くするのがこれ。イラクサを素手で摘み、足で踏んで繊維にしなければいけない。いたいよー。調べると、この茎の繊維は強く長いので、昔は織物によく使われたとか。丈夫で、漁網や木綿の代用品としても重宝されたらしい。王子たちの服も、さぞかし長持ちしたろうなぁ。

 イギリスのドーセット州にはイラクサ大食い世界選手権なんてのも存在する! 灰汁で舌を真っ黒にしながら、むしゃむしゃ食らいつく。丸めて口に放りこむと痛くないと聞いたけど、ごらんのように葉っぱの後ろはこんなにトゲトゲ。トゲが少なめかは分からないが、日本のイラクサは、灰汁も少なく、天ぷらやおひたしにするといいらしいよ。

(ロンドン在住フォトグラファー/山内ミキ)



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