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霜が降りたらいよいよおいしくなる、自然薯料理


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 すりおこして白飯にかけたり、千切りにして醤油をかけて食べる「山芋」が大好きです。あのヌルヌルが、身体に良さそうな気がしてなりません。水上勉さんは、整腸剤のかわりに、毎日とろろを食べていた、という話を本で読んだことがあります。

 私が大好きな自然薯を、自家栽培しているレストラン「自然薯料理 やまたけ」を小学館「SooK」の「農家に棲む」で取材しました。店は鄙びた雰囲気で人気の黒川温泉(熊本県南小国町)にあります。
 ご主人の高村公明さんが、標高500mの高台にある畑で栽培した自然薯をいろいろな料理にして食べさせてくれます。

 春先、自然薯を小さく切り、種芋を作ります。4月下旬、根が伸びた種芋を、事前に埋めておいたパイプの上に定植します。パイプには無菌の赤土を詰め、目印の棒をさしておくそうです。種芋の根がこの棒を伝わって伸びていき、パイプに収まるというわけです。ところが、自然薯栽培はやっかいです。高村さんは30年自然薯を栽培してきましたが、これまで一度も思い通りにいった試しがないそうです。
「うまく入っちょるか、入っちょらんか、掘り出すまでわからばってん。でも、だから夢があっておもしろいじゃけ」と村さんは大笑い。大きな自然薯を掘り出すところを撮りたいと思うものの、「宝くじよりも当たる確率は高いばってんが、どこを掘ればいいのかさっぱりわからん」と高村さんに言われてしまいました。

 収穫は冬。「霜がさんべんぐらい降りんと、とアクがぬけんたい。霜が降りて、寒くなって、イモが完熟して、アクがぬけるばってんが」と教えてもらいました。
 収穫した自然薯を水洗いしてから、天日で自然乾燥させます。切り口に蜜ロウを塗り、菌が入らないようにしたものを冷蔵庫で保管します。店で使うときは、細い根をガスの火で焼き切った後、タワシで表面のイボイボを取り除きます。これをおろし金ですりおろし、さらに山椒のすりこ木とすり鉢ですりおろします。

 大好物の山芋をまずはとろろ汁でいただきます。鼻に近づけると自然薯特有の香りがします。高村さんによれば、皮に香りが含まれているそうです。この皮を完全にむかないため、自然薯の香りがすると教えられました。香り高いとろろをムカゴご飯にかけてかっこみます。ヌルヌルなとろろ&ムカゴご飯を食べていると、「日本人に生まれてきてよかったなあ」とつくづく実感します。

 お好み焼きもありますが、やまたけのお好み焼きには小麦粉を使っていません。キャベツ、モヤシ、とろろだけ。こちらはとろろステーキ。とろろに海苔を巻いて揚げた磯辺揚げもあります。自家栽培の野菜が入った味噌仕立ての汁にとろろを入れただご汁も定番です。
 生、焼く、揚げる、煮る。同じ自然薯料理ですが、食感がそれぞれちがいます。香りを愉しむなら、やはりとろろ汁にとどめをさします。

 そうそう、やまたけで料理を頼むと、前菜が付いてきます。この前菜がまた凄い。くびのもろみ漬や、ムカゴのもろみ漬など、手作りの料理が出てきます。「くびってなんだ?」と思われた人はぜひSooKの「農家に棲む」を一読後、黒川温泉に足を運び、自然薯料理を食べてくることをおすすめします。おかげさまで、自然薯を食べたこの日、お腹は絶好調でした。

(ライター/中島 茂信)


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◇◆DATA◇◆
自然薯料理 やまたけ
住所:熊本県阿蘇郡南小国町大字満願寺6994 
電話:0967-44-0930 
営業:11時〜20時 
休み:無休
HP:http://yamatakeweb.com/index.html



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