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ゆっくりじんわり、ドイツの鍋はテラコッタ
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まだまだ寒い日が続いています。日本ではお鍋を囲んで家族団らんというのが冬の夕食の風景でしょうか。最近は鋳鉄製鍋の代表とも言えるル・クルーゼ鍋や保温効果を利用して調理できる鍋など色々なお鍋にも注目が集まっているようです。もちろん、日本の土鍋もまだまだ健在ですよね。
ドイツにも昔ながらのお鍋があります。レーマートップと呼ばれるもの。ローマの鍋という意味で、テラコッタ土からできた、いわゆる土鍋です。ローマの鍋と呼ばれるとおり、歴史は古く、遡れば狩猟で獲得した肉をそのまま火をくべると焦げてしまうので、肉の周りに土を塗りつけて火の中に入れて焼いたことを応用して出来た容器だといいます。
その現代版がこのドイツのレーマートップ。使用前に15分ほど鍋全体を水に浸し、鍋肌に水分をたっぷりと含ませます。そして、調理材料と水大匙1杯ほど鍋に入れて蓋をして、オーブンで1、2時間じっくりと加熱します。急激な温度差を嫌うお鍋ですからオーブンを温めておく必要はありません。余分な水分、急激な温度を加えず、ゆっくりじんわり加熱することにより素材の味と栄養が逃がすことなく調理できます。旨みと栄養と昔の知恵がたっぷりとつまったお料理が出来上がるのが特徴です。ドイツにはこのレーマートップの料理本があるほど人気のお鍋です。
このお鍋はドイツの会社がレーマートップと名づけ登録商標をとっているようですが、同じ原理を利用したものに、モロッコ料理のタジンがあります。こちらは浅めに出来た鍋に円錐鋳型の蓋という面白い形のもの。上薬がかかっていますが、テラコッタの土鍋です。
生野菜を食べる機会が少なくなる冬。ほかほかに仕上がった冬野菜を、栄養を逃がすことなくいただきたいものです。そんなときには、このレーマートップの本を開き、美味しそうなレシピを探す私です。もちろん、野菜だけでなく、肉料理だってジューシーに仕上がるし、デザートだって作ることができます。
オーブンに長時間入れますが、お鍋につきっきりの必要もないのでその間にこうやって原稿を書き上げることもあります。また、オーブンの熱で十分、温かくなるので台所の暖房は消してしまいます。美味しく仕上がるだけでなく、時間の節約とエネルギーの節約にもつながるお鍋です。
(ドイツ在住ライター/和田 かおる)
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