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大地の溝を行く、ディープで楽しい丹那断層ハイキング
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ドイツでは、旧東西国境を巡る「ボーダーハイキング」がブームになっているとか。そんな大げさなものではなくても、歩く目的として何かの「線」をたどるというのは面白いかも…。
そう思って訪ねたのが、静岡県函南町。ここには地面に大変な線が走っているのだ。その名も「丹那断層」。そう、地震を引き起こすあの断層だ。
昭和5年(1930)11月26日、この地方を襲った北伊豆地震の震源ともなったこの丹那断層は、ちょうど伊豆半島北部の付け根付近に南北8kmにわたって出現した。丹那断層は典型的な横ずれ断層で、約2.5mもずれたという。
断層歩きのスタートは、ちょうど断層に沿ってヘコんでいる丹那盆地南端の「断層公園」から。かつてここにあった民家の庭の池や水路が、真っ二つにずれているのがわかる。公園内には断層を掘り下げたトレンチがあり、ちゃんと地層に線が入っているのも見ることができる。
しかし、地震から70年以上も経つと、そのほかの断層はわからなくなっていて、牧場と畑がのどかにひろがっているだけだ。ちなみにこの丹那盆地は酪農が盛んで、「オラッチェ」という観光牧場では、超濃厚なソフトクリームも味わえる。
さて、丹那盆地から北に伸びる丹那断層は、軽井沢という山の中の集落を貫いている。ここに断層の痕跡はないが、道沿いにある泉竜寺の境内には、毎年8月の第一土曜日に、村人が猫の化粧をして猫っぷりを競う奇祭「かんなみ猫おどり」 発祥の碑があった。
さらに森の中を北上すると、「メルヘンの里」の看板が。導かれるままに小道を下っていくと、隠れ里のような田代集落に出る。その北方にはもうひとつの盆地、田代盆地が現れた。これもまた、絵に描いたような見事な盆地だ。どうやら丹那盆地と田代盆地は、丹那断層と深い関係がありそうだ。
ここにある火雷神社の階段が丹那断層によってずれてしまい、片側だけになった鳥居が残されていた。そんな田代盆地では、住民たちがチューリップなどを植えて、「メルヘンの里」という手作りの花壇を作っていて、この季節は色とりどりの花々に彩られる。
箱根や熱海などの大観光地に囲まれながら、ひっそりとたたずむ丹那と田代の小盆地。ちなみに丹那断層の活動サイクルは約1,000年というから、歩いていてグラッっとくることは当分なさそうだ。
(記者/杉崎行恭)
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