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独特の植物相。ギリシア・ケファロニア島はノアの箱船?
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山と海がギューっと詰まったトランジスタ・ボディ、起伏があってドンと海に落ちる地形。オリーブと葡萄がほったらかしで実る気候……。ここは地中海、ギリシャのケファロニア島。独特の植物相がみられるので、イギリスの植物版ノアの箱船、ミレニアム・シード・バンクの分園があるほど。
まずキプロスという木。暗く、さくさくと天を貫くシルエットが小気味よく、宇宙っぽい植物だなあと思う。標高1630mのエノス山に登ると、また島は表情を変える。今度は「黒い森」と呼ばれるモミの木がお出迎えだ。石灰岩が多く水が超硬質なことでも知られていて、不思議なことに、この島には川がない。そういえば滞在中、橋をひとつも渡らなかったな。
下界では、木が白くお化粧されている。ぶつかり防止かと思っていたが、実は「虫除け」なのだそうだ。「石灰だったっけ、アスベスト(おいおい)だったっけ、なんかそういうもので、果樹に塗っておくとアリが登ってこないのよ」と地元の人はいう。
海は、というと……すわ、クラゲ大発生! という時も、泳ぎながら彼方のクラゲ君が見えるので、一回も刺されずに済んだっけ。波が洗う岩の表面にはきらきらとクリスタル。 天然塩田だ。
夏はからからなので、ちょっとした茂みから火災が起こることも。そんな場面に出くわした私、ぐわーん……轟音と共に消火飛行機にもご対面。ぱっ! と開いたハッチから大量の水がぶちまけられる。火災が起こって5分位だったろうか、すばやい。やはり乾燥時の火は命取りのようだ。
第2次世界大戦で同盟を結び、共にこの島で駐留したドイツ軍がイタリア軍をこの地で集団処刑した、というのは「コレリ大尉のマンドリン」という小説で知った。映画化された時、ロケがあったのもここ。
掛け値なしで鮮やかな、ダイナミックな自然であった。
(ロンドン在住フォトグラファー/山内 ミキ)
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