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新米母さんボルネオ行き・6/マレーグマを守る鍵は日本に
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「マレーグマ」と聞いて、「あの小さくて細いクマね。」と思い浮かべられる方も多いはず。動物園でもよく見かける東南アジアに生息するクマの一種です。しかしこの世界最小のクマ、マレーグマが実は生態も推定頭数もわからない今、絶滅の危機にさらされていることをご存知の方は少ないのではないでしょうか。
ここ熱帯雨林真っ只中のダナンバレーフィールドセンター(マレーシア・ボルネオ島)にはマレーグマがときどき出没します。そして、この研究施設に住み、寝る間を惜しんでマレーグマを研究しているのが、現在マレーグマの野外調査を継続中である唯一の研究者ウォン・シー・トゥさん(中国系マレー人)です。
ウォンさんに会ったまず最初に、私は「クマに出会うのが怖くて、仕方がない。」と訴えました。それは、1ヶ月前にスタッフの家の網戸を破って入り、冷蔵庫を荒らした話を聞いていたからです。怯えている私に「会ってもすぐに森に逃げていくから大丈夫。とても小さいクマだから心配はいらないよ。」と笑いながら彼は教えてくれました。
ウォンさんはマレーグマの研究を始めて、今年で8年目。保全生物学を勉強するために留学した米・モンタナ大学の修士課程のときに、あるクマの研究者の講演でマレーグマの研究者が世界に誰もいないことを知り、マレー人である自分の使命だと感じて今の研究を始めたそうです。
彼が、台湾に住む奥さんと2歳の娘さんと会えるのは年に2回ほど。現在は、ボランティアスタッフ8人と共にマレーグマとヒゲイノシシの広域調査や、マレーグマのリハビリセンターの改善、野生動物保護区の拡充案の作成など、休む間もなく活動しています。
電波発信機をクマにつけているのですが、クマが3ヶ月もつかまらなかったり、ゾウに出会って車や捕獲用のトラップを壊されることも。順調に調査が進まず、辛い時もあるそうです。
しかしそれでも調査を頑張れる理由を「マレーグマの生態は面白いし、知れば知るほど守らなくてはいけないという思いが湧いてくる。本当にマレーグマは小さくてかわいいんだ。」と話す顔には、マレーグマへの愛おしさがにじみでていました。
そんなウォンさんが今、一番危惧していることは、森林の減少と共に、確実にクマが減り、絶滅の恐れが生じていることです。「近年、アブラヤシの大規模なプランテーションにより、森は急速に破壊され、それに伴ってマレーグマも生きる場所をなくしている。しかし、ボルネオでは同じように絶滅の心配があるスマトラサイ、オランウータン、ボルネオゾウの3種に注目が集って保護が優先され、マレーグマのプロジェクトまでお金がまわってこない。」とため息をもらしました。
そして日本の人々に一言お願いしたいと頼むと、「一番の脅威は森林伐採。そこで作られた木材やパーム油を一番使っているのは、日本人。ボルネオの森を保護する責任は日本人にもある。是非、保護に協力して欲しい。寄付金と人手を下さい。」と訴えられました。日本とは切っても切り離せないボルネオの森でおこっているこの問題に対処すべく、昨年の12月8日には、「ボルネオ保全トラスト」という団体が発足しました。
今まさに、日本の問題と認識されつつあるボルネオの森の危機。ボルネオの動物たちの命が日本人にかかっていることを意識し、買い物をする時に気をつけることが、まず私たちにできる第一歩ではないでしょうか。
(文/半谷美野子、写真提供/ウォン・シー・トゥさん)
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◇◆お知らせ◇◆
今回、彼に協力、寄付してくれる人は彼宛にメールを送って欲しいと頼まれました。英語では連絡をとりにくいかもしれないので、日本語で私宛にメールを下されば、英語に訳して責任を持って、ウォンさんに送りますのでよろしくお願いいたします。
※宛先はこちら
◇◆マレーグマについての参考HP◇◆
ウォンさんのHP
◇◆ボルネオのパーム油問題についての参考HP◇◆
オランウータン研究者・久世濃子さんのHP
サラヤ株式会社
BBEC(ボルネオの自然と国際協力)
財団法人 地球・人間環境フォーラム
WWFジャパン
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