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国東半島干潟遊び日記 その2 子どもたちのマハゼ釣り


●今年も神代植物公園「秋のバラフェスタ」が開催中です。ライトアップされた夜のバラ園を散策したり、期間限定のバラのカフェテラスでお茶を飲みながらジャズやクラシックの生演奏を楽しんだり。優雅な秋のひと時を楽しむのはいかがでしょうか。10月31日(水)まで。
 干潟は、潮の流れさえ頭に入っていれば優しい水辺である。近くに干潟があれば、2、3歳の頃から連れていくとよい。砂遊びをしたり、コメツキガニを捕まえたりしているうちに、子どもは海でのふるまいを自然に身につけるようになる。
 干潟は広い。空も大きい。ショッピングモールと違って静かで、カニも魚も超一級の精密な造形美を見せてくれる。子どもたちの心に、自然の大きな物差しを育ててくれる。

 もちろん、大人の気配りはかかせない。いくら干潟の潮だまりが浅くて安全だといっても、自然では何が起こるかわからない。2年ほど前、干潟の潮だまりでアカエイをみつけたことがある。餌をあさっているうちに逃げ遅れたのだろう、ちょうど団扇くらいのアカエイが足首くらいの深さの水辺で泳ぎ回っていた。子どもが誤って踏めば、命の危険さえある。子どもを水辺に入れる時には、前もって大人が確認した場所で遊ばせることだ。
 潮の流れと風にも気を配る。干潟の突端で遊んでいるうちに満ち潮で帰れなくなることもあるから、干満の時刻をしっかり頭に入れて時計をこまめに見る。満ち潮に変わると激しい海風が吹くことがあるから、春と秋には長袖のシャツを準備しておくことも必要だ。

 干潟に慣れたら釣りを教えてみる。まずは投げ釣りから、竿はバスロッドの柔らかめのもの(2m以下の短い竿なら5歳くらいでもなんとか取り回せる。安物で十分だ)。小型スピニングリールに2号から3号くらいのナイロン道糸。ちょい投げ用のキス天秤かハゼ天秤に5号から7号くらいのナス型オモリ。ハリスは1号から2号を20cmばかり、針はがまかつの投げ専用キスの8号から9号(キスやハゼがよく釣れます)。餌はアオイソメ。

 小学校低学年までは、餌付けと仕掛けの投げ込みは大人がやったほうがいい。糸の張り方、食い込んだ時の送り込みを教えながらリールを巻かせる。(投げ込みをやりたがる時は、針をはずして練習をさせ、様子を見る。いきなり針をつけてやらせるのは危険だし、習熟するまで投げさせないほうがいい)
 干潟の投げ釣りはなかなか難しい。潮が流れ始めると激流になるので当たりが取りにくく、藻がひっかかりやすい。フラットな海底に牡蠣の張り付いた岩が点在していて根がかりが頻繁に起こる。海底の状態をよく知っている場所で、干潮時の潮どまりを狙うと思わぬ大物がかかることもある

 釣りに興味を持ったら、のべ竿の釣りを教えてみる。仕掛けの長さと子どもの取り回しやすさを勘案すると、小学校低学年の子どもには3・6mあたりが良いようだ。
 見やすい色の天井糸を3m(1号から1・5号)、ハリスは0・8号を30cm前後。天井糸とハリスはサルカンで結び、サルカンの天井糸側に0・5号から1号の丸型中通しオモリをつける。オモリが動きすぎないように、サルカンの20cmほど上に小さなガン玉かカラマン棒をつけるとバッチリだ。針は同じくがまかつの投げ専用キスの8号か9号。餌はアオイソメ。
 水辺のかけあがりに糸を垂らしてハゼを狙う

 9月の上旬にのべ竿仕掛けで桂川の干潟を狙ってみたが、なぜか5cmくらいのデキハゼばかりで不発だった。9月下旬にもう一度挑戦したところ、子どもたちはすっかりのべ竿の使い方を習得していて、自分でポイントをみつけて次々に釣り上げていく
 2時間の間に2人で約30尾のハゼを釣り上げた

 子どもはどんなに小さな魚でも喜んで釣る。釣りすぎでなければ、そういう魚を料理して食べるのは悪いことではないと思う。自分で釣った魚が、さばかれ料理されるのを見て、味を舌で確かめることは、自然に対する好奇心を育てるためにとても大切なことだ。
 「生命は大切だ」というお題目にかこつけて、子どもを自然から遠ざけ、生命に触れあわせることを面倒くさがる大人が多いんですよ、実のところ。

 本当に大切なのは個体の生命だけではない。個体の運命には限りがあるけれど、生命が生まれ替わる場(環境)が健康なら、生命は連続していくのだ。自然環境を守るためには、自然の醍醐味を知っているガッツのある子どもをたくさん育てる必要がある。自然のおもしろさ、厳しさを自分の五感で確かめた子どもたちこそが未来の自然を守ってくれると思う。
 子どもたちが、干潟を心底楽しむ様子を見ていると、「でかい魚を釣りたい」という大人の邪心も霧のように消えてしまいますね。

(作家/毛利 甚八)



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