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ボルネオゾウの群れに遭遇して。
私達に今、できることは何だろう?
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昨年末、夫がサルの研究をしている、マレーシア・ボルネオ島のダナンバレー森林保護区に半年ぶりに行ってきました。ダナンバレーはボルネオ島で、急激に減少している熱帯雨林の原生林が残る数少ない聖域。野生のオランウータンや、マレーグマなど絶滅の恐れのある動物にとって、貴重な場所になっています。その動物の中で、一番大きく、恐れられているのが今回出会ったボルネオゾウです。
熱帯雨林内の研究施設、ダナンバレーフィールドセンターまでは、近隣の町から、ガタガタ道を車で2時間。その途中でした。突然、車が徐行運転になったので、前方を見ると、20mほど先にゾウのお尻が沢山揺れていたのです。9頭ほどの群れで、ゆっくりと歩いていました。しばらくすると、私たちのことは気にせず、道端の草を食べ始めるゾウたち。ゾウが森に帰るまで、15分ほど車の中で待つことになりました。
世界に1000頭ほどしかいないゾウに会えるなんて、なんてラッキー。興奮したのはいうまでもありません。私だけではなく、2歳の息子はこの日から、「ぞうさん」の歌が歌えるようになったぐらいです。今まで、ダナンバレーでは、オランウータンなど様々な野生動物に出会ってきましたが、ボルネオゾウを見たのは初めて。ゾウには会ってみたいけれど、近くでは会いたくないと思っていました。それは、ゾウに出会ったら、森を案内するガイドが、お客を残して、真っ先に逃げるぐらい、みんなが恐れているからです。マレーグマの研究者からは、車やクマの罠のドラム管がゾウに潰された写真を見せてもらったこともありました。
そして、その怖さを感じたのは、のんびりしているゾウをせきたてるように、車を発進させた時でした。一匹の大きなメスゾウが数歩、ドシドシとこちらに向かってきたのです。急いで下がる車。命の危険を感じました。
その後も、少しでも近寄ろうものなら、必ず足を踏み鳴らして威嚇。草を食べないで、耳をパタパタしながら尻尾を振って、こちらをずっと正面から睨みつけているゾウもいました。世界で一番小さいゾウといわれていますが、最大では2.5トンにもなる巨体。本気で襲ってきたら、絶対やられます。
唯一かわいかったのは、一頭の大人の足の高さほどの子ゾウ。その子ゾウを守るようにしている様子だけは、絵本の中のゾウでした。
帰りも、同じ道で大人の大きなオスに別々に2頭会いました。
しかし何故、今回、こんなにゾウに会えたかというと、クリスマスやイスラムの休暇で、いつも伐採木を頻繁に運んでいるトレーラーが少ないのが原因のようでした。日本に運ばれてくる大量の木材は、ゾウが道を自由に歩き、渡ることを阻んでいたのです。しかしここはまだいい方。ボートから動物が見られることで有名なスカウという場所がありますが、そこは川の周りにしか、わずかな森が残っていないため、追い詰められた動物がよく見られるのです。
森のかわりに増えているのが、オイルパーム(アブラヤシ)畑。オイルパームは、動物の住む熱帯雨林を減少させるだけではなく、オイルパームの実が好きなゾウなどの動物は害獣として殺されているのが現状です。そのオイルパームから採れるパーム油を、毎日膨大な量、食べているのは私たち日本人。熱帯雨林を食べ、動物を死の淵に追いやっているのです。
今、日本人にできることは、まず現状を知ること。そして、川の周りの森を残し、緑の回廊をつくるための活動をしている、「ボルネオ保全トラスト」などに協力することが、パーム油に依存している日本人の責任だと思います。それは、生活に欠かせないパーム油を持続的に活用するためにも、重要なことです。我が家では和食中心、レトルト製品を使わなくしたところ、パーム油の文字がグッと食卓から減りました。
息子が「ぞうさん」を歌うたびに、ボルネオゾウやオランウータンたちのためだけではなく、私たちの子どもが生きていくためにも、熱帯雨林を守らなくてはいけないなと、思う毎日です。
(新米母さんライター/半谷 美野子)
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◇◆情報◇◆
『ボルネオ緑の回廊基金』
現在2haの土地(諸経費込み240万円)を買うために募金を募っています。
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<募金先>
郵便振替
口座記号番号:00130−5−687082
加入者名:ゼリ・ジャパンボルネオ緑の回廊基金
◇◆オイルパームについて◇◆ ※バックナンバー
新米母さんボルネオ行き・8
日本人の食卓に直結。パーム油の生まれる場所で、今
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