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寒くてもにぎやか! 春を待つ「たかしま生きもの田んぼ」


●高島市のホットな情報を発信するインターネットラジオ局「高島しぐれ」が開局しました! 「たかしま生きもの田んぼ」プロジェクトに関わる農家の熱いメッセージも動画と音声でお楽しみいただけます。どうぞご覧になってください!

●気鋭の硬派ジャーナリスト(なんちゃって)多田実がたかしま生きもの田んぼのコンセプトを紹介する「たかしま紀行」が高島市のHPにアップされました。

●大好評の連載小説『虹の幻灯譜』最新話、アップいたしました。こちらもどうぞお読みください。
 「白いサギにもいろいろおるけど、冬になるとアオサギよりも大きなダイサギが田んぼの周りに来よるね。夏のダイサギはアオサギより小さいのに」
 う〜む、ベテランのバードウオッチャー顔負けの観察力である。近年、分類学上の亜種同士にあった関係から、それぞれ独立種となった冬鳥のオオダイサギと、夏鳥のチュウダイサギの体格差に、「たかしま生きもの田んぼ」に取り組む農家は気がついていたのだ。

 チュウダイサギと同じく夏鳥のチュウサギ(環境省RDB準絶滅危惧)が、秋の田んぼの収穫時に群れ集まってカエルをたらふく食べてから南国に渡っていく様子は前回のレポートで紹介した通り。それと入れ替わりのように北国からやってくるのがオオダイサギや、オオハクチョウとコハクチョウ、それにタゲリなどの冬鳥たちだ。
 「みゅう〜、みゅ〜ん」と、子猫のあくびのような声をあげながら、タゲリの群れが水を張った冬の田んぼに降りてきた。長い冠羽をもつ美しい姿から「田んぼの貴婦人」とも呼ばれる鳥だ。
 「こんなのも来るようになったよ」と農家がデジカメで撮った写真をみせてもらうと、タマシギだった。初夏になると田んぼの周りでオスが巣を構え、可愛いヒヨコを連れ歩く姿が見られるはずだ。

 滋賀県北西部の高島市で環境保全型農業に取り組む農家によって展開されている「たかしま生きもの田んぼ」プロジェクトでは、それぞれの農家が田んぼやその周辺の生物相に応じ、様々な生物多様性の保全策に取り組んでいる。冬の田んぼに水を張る「冬季湛水(とうきたんすい)水田」も、その取り組みのひとつ。収穫後の田んぼに再び水を張ることで湿地化させ、多くの水鳥たちに採餌や休息の場を提供している。
 冬季湛水は野鳥のためだけに行っているのではない。冬の間に田んぼに水を張ることで地中の小生物たちの活動が活発化され、イトミミズの体内を通った土によって「トロトロ層」という極軟質の泥が田んぼの表面に形成される。このトロトロ層が水田雑草の種を地中に埋没させて発芽を抑えるため、農薬(とくに除草剤)を使わない栽培方法に取り組む農家をおおいに助けてくれるというわけなのだ。

 ただし、冬の田んぼに水を入れるのは、じつはそう簡単なことではない。水田施設の近代化にともなって、平野部の田んぼの多くは水を入れる際の用水がパイプライン化され、蛇口をひねるだけで水が入る仕組みになっている。この施設が冬の間は使えないのだ。慣行農法(農薬を通常通りに使用する農法)が行われる他の農家の田んぼでいっせいに耕作が始まる4月後半以降にならないと、パイプラインに水が来ないのである。

 そんな田んぼで冬季湛水を行う場合、これまでは田んぼの排水口を閉じて雨雪を待ったり、エンジンポンプで排水路の水をくみ上げたりしていた。しかしこの冬は新兵器が登場した。太陽光を利用した世界初のソーラー発電式水中ポンプである。
 「設置そのものは非常に簡単ですよ。隣接する排水路に冬も充分な水が流れていれば、ですが」
 このシステムを紹介してくれたのは、兵庫県立「人と自然の博物館」の三橋弘宗さん。コウノトリの野生復帰事業が進められる豊岡市などで試行されている同システムを、「たかしま生きもの田んぼ」の農家たちの前で実演してくれた
 「お、お、もう水が来よった。こりゃ簡単やな」
 太陽パネルとポンプを結ぶ配線をつなぐと、すぐにホースから水があふれ出てくる。実演を見た農家の反応は早かった。さっそく自らメーカーに問い合わせ、1ヘクタールを超える大型の田んぼで実用化に踏み切ったのだ
 「エンジンポンプだと水が減ったら汲み上げ足さなければならないけど、ソーラーだと勝手に汲み上げてくれるからありがたいですね」
 と感動する若手の農家。パイプライン化で遮断されていた冬の田んぼと用水が、太陽の力で再び結びついたのである。

 いっぽう、排水路のほうは、排水効率を高めるため、田んぼと水路の落差が大きな垂直護岸となり、初夏の産卵期にフナやナマズなどが田んぼに入れなくなってしまっている。そこで田んぼに魚道を設置し、田んぼへ遡れるように工夫をしているのは昨年夏のレポートでも紹介した通り。この冬は、休耕田を利用したビオトープづくりも始まった。
 「この水路はメダカがおるんやけど、いる範囲は限られているから、そこに魚道とビオトープを作ろうと思うんや」
 去年、「メダカも遡れる魚道」を作った農家の田んぼにはフナやナマズこそ遡ったけれど、肝心のメダカは生息する限られたポイントから少し離れていたため、遡上が確認できなかった。そこで、メダカがいるポイントに面した休耕田を大規模なビオトープに改装し、同時に新たな魚道を設置する作業が行われた。これで、高島でも数少なくなったメダカに安定的な生息環境を提供できることになる。

 「コメ作るよりも楽しいわ」「春になったらメダカがのぼってくるのが楽しみやな」 楽しげに語る農家たちの足元で、重機で掘りあげられた土の中から這い出てきた見慣れぬ大きなミミズが何匹もうごめいている。
 「こりゃぁ、ハッタミミズ(環境省RDB準絶滅危惧)やないか? 金沢と琵琶湖の周りでしか見つかってない珍しいミミズらしいで」
 田んぼの土づくりをしてくれるミミズにまでRDB記載種がいる「たかしま生きもの田んぼ」。今年も安全で美味しいお米を作るため、苗づくりがもうすぐ始まろうとしています!

(ライター&雑魚党政釣会長/多田 実)


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【たかしま生きもの田んぼ米 購入方法】

≪FAXでのご注文≫
■たかしま生きもの田んぼ米 FAXご注文用紙21に必要事項をご記入の上、高島市農業振興課内「たかしま生きもの田んぼ米」係(FAX:0740-25-8519)までお申し込み下さい。
[FAXご注文用紙]

≪こだわり農家のお米販売サイト 「おこめナビ」 からのご注文≫
■おこめナビの購買者向けページ22から 【お米を選んでみる】のボタンをクリックし、産地検索で【滋賀県】を選んでください。 HP

■登録された滋賀県内の農家の一覧が出てきます。 その中で 「たかしま生きもの田んぼ米」 のブランド名を掲げているのがプロジェクトに参加している農家です。 各農家のこだわり内容も必見です。
■購入を希望される方は各農家の販売案内ページから商品を選び、 送り先の記入などをして発注すれば代金引換でお手元に届くシステムになっています。

◇◆たかしま生きもの田んぼ お問い合わせ◆◇
高島市 産業循環政策部 農業振興課(直通)/TEL:0740−25−8511
アミタ持続可能経済研究所 23/TEL:075−255−4526
HP



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