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ボルドーで自転車「のんべんたらり旅行」


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 ツール・ド・フランスで名高い自転車大国、フランス。だけどあれは山あり谷ありの鉄人レース、そして当方、2年前までギアも知らなかった「凡人中の鉄人」である。でも、フランスってツーリングにいいところだよ、とは聞いていたのである。そしてこの夏、とあるチャンスがやってきて、ロンドンからフェリーに車を乗っけて自転車を持ち込み「凡人のんびりツーリング」をしてきた。

 やってきたところはボルドー地方。3泊4日でルートを組み、宿の予約もカンペキ。なんといってもここはワイン、すいすい走る行く手には巨大なワイン樽がそびえ立っているわが妄想なのである。おニューのパニエにカメラと着替えを詰めたら、そこは果てしない夏、エメラルドの葡萄畑なのである。出発から25km地点で、昼どきの村で食料を調達し、修道院の廃墟の芝生でピクニック・タ〜イム! フランスでは商店の営業時間上、昼2時までに町中にいないと食いっぱぐれる可能性が高いので「昼にどの辺りで確実にメシするか」というのも計画のポイント。バゲットとアヒルのパテ、仕上げはラズベリータルト、ベリーグッ。

 一泊目の宿からは、世界遺産の城塞都市セント・エミリオンがすぐそこだ。荷物を置いて、城塞までの5kmを身軽に走る。もちろん、夕食はフルコース、11時でもまだ明るい道を腹ごなしに漕いで帰るのもなかなかよいものであった。とびきり美味しいものを、思いっきり運動したあとにもりもり食べる幸せ、というのはこの旅で痛感した至福。フランスでサイクリングって、最強タッグだったのね。

 さすが、自転車専用道路も発達している。これなんかは昔の鉄道路を改造してあるので、トンネルを抜けると、そこはサイクリスト・カフェになった駅舎であった。
 こんな感じの4日間、ザ・凡人ツーリングは大成功なのであった。秘訣は、難易度が土地の高低差に左右されるのでガイドブックを研究し、できるだけ平坦なルートを選んだこと。大まかなガイドブックの地図に頼らず、フロントバッグのクリアポケットに入れ、いつでも見られる自転車用の縮尺地図を持って行ったこと。不慣れな土地でのトラブルを避けるために、出発前に自転車のオーバーホールをショップで頼んだこと、などかな。

 私たちだけのために店を開けてくれたレストランや、19世紀の屋敷を改造した丘の上のホテル。リタイア夫婦のB&Bで「味見してね」とお土産にもらった木いちごの手作りジャム。全行程約150km、一日40〜50kmで気張らず急がず、ほどよい筋肉痛と罪悪感なしの旺盛な食欲との組み合わせは「動く、会う、食べる、寝る」のシンプルな旅の充足感に満ちていた。こんなツーリングだったら、うん、どこでもできそうだ。

(ロンドン在住フォトグラファー/山内 ミキ)



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