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“スキーで歩いて南極点へ”ツアー顛末記24
おわりに
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1月23日の南極点到達、そして2月4日の帰国から7か月、暑い夏の日本で思い浮かべるのは南極大陸。時間がたっても私の中では確固とした存在感で輝き続けています。日常生活にも付いて回り、「南極点まで歩いて行ったアノ人です」と自己紹介も渋々ながら時々、やってます。
この半年ほどでたくさんの場所でたくさんの人々に会い、いろいろな話をしました。たいていは、「極点に着いた時どう思ったか?」「一番つらかったことは?」「なぜこんなことをするの?」「次の冒険は?」という疑問が多かったですね。答えはこちらへ。
そんな中で一つ印象的だったものをご紹介します。慌ただしい日々を見ていて案じて下さったのでしょう、春ごろになって「もう元の生活に戻りましたか?」と聞かれました。その瞬間ふと頭に浮かんだのが「先に進んだので戻れません」というものでした。
これは初めての感覚で、自分でびっくりしてしまいました。
たとえば8000mの山。あるルートを通って登り、ほとんどが同じルートを、キャンプを回収しながら下ってきて帰途に着く。最初はこんなスタイルの違いかと思いましたが、登山にも長距離の縦走がありますし、グリーンランドでは590kmを歩き、氷の上から陸地に足を踏み出すという視覚・感覚ともに決定的な瞬間も経験しましたが、これはなかった。グリーンランドは23日間、南極は57日という時間だけでなく、距離も内容も疲労度も比べ物にならないものだったのでしょう。1200kmという距離感が体に深く刻み込まれたのかもしれません。それだけなのか、考え続けました。
「前に進んだので戻れない」。昨日へ帰ることはできない。
いたずらっ子が締め出されて家に入れてもらえないような、寂しさを伴った訣別のような、「前だけ向いて」歩き続ける運命を目の前に突きつけられたような感覚。きっとこのままずっと、はるか遠く、見えない点をめざして、私の人生の届く限り遠くまで歩いていかなくてはいけないんだろうなぁという、あきらめにも似たしかしそれしかないという確信と、できるはずという自信。人生を最後まで、何が起ころうとも逃げずに、あきらめずに生き抜く自らへの信頼。これは南極が私に贈ってくれた人生最大のお餞別でしょう。南極大陸、ほんとうに、ありがとう。
大いなる自然の恵みを携えて、またスキーをはくのか、リュックを背負うのか知らないけど、どこかへ出かけていく日が来るかもしれません。願わくばあまり寒くないところがいいけれど。
そんなバカなことをまたまたやらかすという噂が聞こえてきたときには、みなさん、ぜひ応援してあげて下さいね。
さて、南極大陸のお話、これで最終回です。いかがでしたでしょうか? 時々いただくご感想やご意見、そして読んで頂いているという感覚は、最後まで書き続ける最大の励みになりました。心から御礼申し上げます。
air BE-PALも今月でおしまいとのこと。南極の報告をここで書かせていただけたことは、最高の幸せでした。振り返りながら、一つずつ書いていくスタイルはとてもよかったと思います。現地から原稿や写真を送りたかったけど、イリジウムのデータ送信がなかなかうまくいかなくていらいらしていた頃が今ではおかしくていい思い出ですね。air BE-PAL担当のビーパル本誌副編集長・川辺さん、明石さん、滝川さん、関係のみなさん、本当にありがとうございました(終盤は遅れがちでハラハラさせてごめんなさーい!!!)。
出発前から、現地から、帰国後までさまざまお世話になったビーパル本誌編集長・酒井さん、お礼の言葉もないくらい。本誌四月号に掲載していただいた報告は永久保存です。
支援・応援して下さったみなさん、本当にありがとうございました。
さてホントに最後になりました。南極大陸にたくさんのことを教えてもらった感謝の気持ちをこめて、今日まで書き続けてきました。自然の恵みは、常に、誰にでも平等に、それを求めて望む人に、大いなる愛情を注いでくれます。地球はたくさんの人の夢と希望とチャレンジを待っていると思います。ぜひフィールドへ、アウトドアへ!
さ、ビーパル買いに行かなくちゃ!? 笑。
(登山家・ライター/續 素美代)
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◇◆お知らせ◇◆
「airBE-PAL」は2008年8月31日を以って終了することになりました。
長い間ご愛読いただき、まことにありがとうございました。
31日まで、まだまだ新鮮な記事を配信し続けます。最後までお楽しみに。
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