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虫遊びを楽しくしてくれそうなヒント充実
夏休みのおススメ本紹介


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 今年の夏は暑いですねえ、皆さん。虫の出具合はいかがでしょうか? 東京では、温暖化や食草であるスミレの増加でツマグロヒョウモンが盛んに飛び回るようになっています。逆に街路樹の剪定頻度が高くなったせいで、アオマツムシの声が少なくなっているとの情報もあります。何につけ変化の起こりやすい都市部では、虫からも目が離せません。

 さて、最近は子供の昆虫採集という遊びに関しては、いじりまわして死なせることまで含めて、肯定的に理解する人が増えています(乱獲や稀少種の採集は論外ですが)。自分の手で触る、臭いを嗅ぐ、死を知るといった行為なくして、本当の意味で虫に親しみを感じたり、自然の大切さを理解することはできないと私も思います。
 ただ、最近の小学生の親御さんの中には「子供たちに虫とりを体験させたいとは思うが、そもそも自分に十分な体験がないので、どうしていいか自信が持てない」といった感想を持つ人も多いとか。そこで今回は、そんなご両親に『集めて楽しむ 昆虫コレクション』(山と溪谷社)という本をご紹介します。

 なぜこの本がいいと思ったかというと、「コレクション」という単純なキーワードを介して、「虫のこんなところに注目したら?」というヒントを、小学生でもマネできそうなレベルで豊富に示してくれているからです。
 好奇心をかきたてられたものを、手当たり次第に集めてみるという行為は、人間にとっては本能にちかいもののように思えます。分類の話とか生態の話はさておき、まず目の前にある現象から入っていく、この姿勢に好感が持てます。
 そして、たとえばカミキリムシに興味を持った場合、普通なら「じゃあ、カミキリムシ科をいろいろ集めてみようか」と、多くの人が考えます。しかし小学生に各地を採集して回ることはできないでしょう。かといって、興味のわいたカミキリムシを飼育して、いきなりライフサイクルや生態を探るのも難しい。

 本書は、そこでノリウツギという「たくさんの虫たちが集中するホットスポット」での観察を提案しています。ひとつの定点観測ですね。するとそこにはカミキリの仲間だけでなく、オオアオハナムグリ、ミドリヒョウモン、ミドリバエ、ジガバチなど実に多彩な虫が集まってくることがわかるのです。なるほど、これならひたすら待って、懸命に採集すればとにかくおもしろそう。これは樹液でやってもいいし、動物の糞にもあてはまりそうです。

 また、本書で紹介されているように卵、食痕、糞、眼状紋、個体変異、虫こぶ、抜け殻などなど、目についたものを片っ端からコレクションしてみるのもおもしろそうです。まず集めることを楽しみましょう。ここでは「だからどうなの?」などという理屈はあまり重要でないのかなと思います。「ふ〜ん」とか「へえ」とか思えたら、それでいい。
 たとえば個体変異でいえば、私もナミテントウにさまざまな変異があることは知っていましたが、本書には37匹ものヒシバッタが登場します。ヒシバッタは薄茶色にまだら模様と思い込んでいたせいか、その多彩な色と模様に思わず「へえ」とつぶやいたのでした。

 それ以外にも、卵から飼育したナナフシが死ぬまでに放出したフンを全部コレクションしたものなど、暑さで飽和状態になった脳にちょっとした風穴をあけてくれそうなテーマもいろいろあります。それはまあ、各自ページをめくってご覧いただくことにしましょう。
 それではよい夏休みを。

(ライター/三宅 直人)



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