第4話

ただいま、水槽の生き物たち

文 /こばやしまさこ
写真/小林安雅



  グアム経由で成田に降り立つと、日本は秋から初冬になっていた。  冷たい空気に、ブルッと身を震わせる。  晴海の運河沿いのアパートに帰り着いた。  水槽に「ただいま」と声をかけて、住人(?)のヒライソガニ、イソスジエビ、ドロメたちにフレークの餌をパラパラとあげる。 夫が撮影のために磯で捕まえた生き物たち。




水槽のあるじは、アンボイナの「小林アン坊」。危険な海の生物として有名な貝である。 アン坊とは3カ月前に、沖縄の座間味島で出会った。ナイトダイビング中、アクティブに 動きまわっていたところを捕獲(夜行性の貝ゆえ)。漁師でもあるダイビングガイドから譲ってもらった。  アンボイナガイは、猛毒の針で餌の魚をしとめるイモガイの仲間。人間が刺されるとショック死に いたるケースもある。ただ、どのような針で、どんなふうに魚をしとめるのか、その生態は あまり知られていなかった。そこで、家に持ち帰って観察することにしたのだ。